朝起きたら好きな人(神田)が隣で寝ていました。貴方(ラビ)ならどうする?

   選択『とりあえず、キス とか?』

 うわぁ、神田だ!なんでっ?
いや、でもそれにしても、相変わらず綺麗な顔してんなぁコイツ。睫毛長っっ。うわ〜触りてぇ、触っていいかなぁ?実はオレ驚かすためにどっかでカメラ回ってるとかじゃねぇだろうなぁ?いや、本当でもマジ綺麗すぎ。
眠る神田の横顔におそるおそる手を伸ばす。肌にそっと触れると彼は小さく身じろぎした。
うわぁ、すべすべだぁ〜東洋人は肌が綺麗だって言うけど、本当さぁ。
さわさわと頬を撫でていると、神田はその手を払いのけるように寝返りをうった。上向くその無防備な顔。肌も綺麗なんだけどさぁ、唇が・・なんともそそる・・・
やべっ・・キス・・とかして良いかな?ってか、したい!したい!!すげーしたいっ!!
寝てるしな・・大丈夫だよな?カメラとかマジでないだろうな?
辺りを見回すがいつもと変わりない自分の部屋だ。
神田を起こさないように細心の注意を払って、顔の両脇にそっと腕をついて、そろりと顔を近づける。アップで見てもシミひとつ無い肌に更にほれぼれした。こぼれる小さな寝息、誘う唇・・・いいよな、いいよなっ!?やっちゃえ。
軽く触れるだけのキス、それでも唇の柔らかさは伝わってきて、なんだかもう居ても立ってもいられない。夢なら覚めるなと、もう一度。気が付けば何度も唇といわず、頬といわず、顔中にキスの雨を降らせていた。
「・・・ん?ラビ?」
 さすがに目を覚ましてしまった神田が眠そうな顔で、不思議そうにオレを見上げる。
 なんていうのか、もう超絶可愛いさぁ。
「おはよ、ユウ」
「?・・なんで、お前がここに居る?」
「なんでって、ここはオレの部屋だし、ここはオレのベットの上だけど?」
「?・・・・うぁ〜〜っっ!」
「突然何さぁ〜〜?!」
 何か思い出したのか、がばっと起き上がって神田が叫ぶ。驚いた。
「あ・・いや、何でもない、なんでもない・・邪魔したな・・帰る」
「別にそんなに慌てて帰ることねぇーじゃん。それにオレ、お前がここに居る訳も分かんねぇんだけど?」
「えっ・・と、いや、まぁ・・その話はまた・・」
 そそくさと部屋を後にしようとする神田の腕を掴まえる。
「待て待て。とりあえず、茶でも飲んでけ、な?」
「う・・いや・・・」
「別にとって喰いやしないって」
「わ・・分かったから、腕を離せ」
 ぱっと腕を放してにっと笑うと、神田は困り顔で眉を寄せた。実は神田専用に用意してある日本茶がいくつかあるのだ。飲みに来てくれる事など皆無に近いが、備えあれば憂いなしというやつだ。
「抹茶、ほうじ茶、蕎麦茶に緑茶、どれがいい?」
「・・・蕎麦茶」
 だと思った。本当蕎麦好き。ほいっと茶を差し出し、椅子に座る。
「・・で、オレの寝込み襲った理由、言いたくなければ言わなくてもいいけどさ、何か理由があるんじゃねぇーの?」
「・・・・」
 神田は黙して茶をすする。言わないつもりか、まぁいいけど。
にこにこと茶をすする神田を眺めていたら、思い切り不審な顔で睨まれた。
「なんだ!?」
「いやぁ〜朝からユウとお茶してるなんて夢みたいでさぁ」
 とたん神田の顔が朱に染まる。あ、怒らせた?それとも照れてるだけか?
「茶くらいで、幸せな奴だなっ」
「お手軽な人間だからさ」
 にっと笑うと神田はふいっとそっぽを向いた。
「別に・・茶くらいなら、いつでも飲みに来てやるぞ」
「え?マジ!?」
 驚いて言うと、神田は怒ったように
「その代わりっ・・・茶葉は絶対きらすなよ!特に蕎麦茶!」
 とぶっきらぼうに言う。
「おう!まかせとけっ!」
 指を立てて請け負うと、神田は小さく、くすりと笑った。

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