エスト×ルル

□手繋ぎデート
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とりあえず温めようと、僕が魔法を使おうとすると、ルルが止めてきた。


「何ですか?早く温めないと、霜焼けになってしまいますよ。」


怪訝そうに僕がいうと、ルルは小さな声で、


「・・・手を繋いで欲しいな・・・。」

「え・・・」

「そんな目で見られると困る。
僕は視線を合わせないようにしながら何とか説得できないかと言い訳を探す。


「え・・・と・・・魔法の方が早いですし・・・」

「大丈夫!」

「僕と手を繋いでも、あまり温かくないかもしれませんよ。」

「繋ぐことに意味があるの!」


・・・どうやら、僕の逃げ道は無いらしい。


「・・・分かりました。」


はい、と手を差し出すと、嬉しそうに握ってくる。

こうして手を繋いでみると、確かに暖かい。

でもずっとこのままというわけにもいかないと思ってルルを見ると、満面の笑みを浮かべている。

その表情を見て、このままでも良いかと思ってしまった僕は、もうそうとうルルに染められているのだろう。


僕らはそれからしばらくーーアルバロにひやかされるまで、
ずっと手を繋いでいたのだった。


>>あとがき
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