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□だから豆をまこう。
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「で?俺等は二人に向かって豆を投げればいいのか。」
ラギが言うと、ユリウスがうなずきながら付け足す。
「うん。『鬼は外。福は内』って言いながらね。」
「んじゃ行くぞ。鬼はー外!」
ラギは大豆を掴むと、思い切り投げた。
その豆をアルバロは当然のように避け、ノエルに勢いはそのまま当たる。
「痛いっそんなに本気で投げなくても良いだろう!」
「でハ、ワタシも。オニはー外ー!」
繰り返される情景。
「痛いっ!頼むからもう少し手加減してくれないか!?」
「そうハ言っテモ、中途半端にシテ、鬼が残っテはイケマセン。」
反論するノエルに笑顔で答えるビラール。
その様子にため息をつきながら、エストも豆を掴む。
「はぁ…こんなことをして、楽しいんですかね…鬼は外。」
豆は真っ直ぐノエルへ飛んで行く。
「痛っ!僕ばかりに当てないでくれ!」
「それは悪かったですね。でも、嫌ならあなたも避ける努力をすれば良いと思いますが。」
「そうしたいのだが、四方八方から飛んできて、それどころじゃないんだっ!」
豆を体中に当てながら、必死に叫ぶノエル。