kaleidoscope
□プロローグ その時のこと。
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ユリウスとノエルと私は幼馴染。
家が隣どうしだったのもあって、夜にこっそり集まって遊ぶのだってしょっちゅうだった。
小・中と同じ学校に行って、高校も、って思ってたんだけど、ノエルだけ違うところに行ってしまって、少し寂しかった。
それでも予定が合った日には3人で遊んだり勉強したりしている。
そんなある日のこと。
「ユリウス!ユリウスったら!」
今は学校行きのバスの中。
もう学校に着いているんだけど。
私の肩にもたれ掛かるようにして寝てしまったユリウスを起こそうと、肩を揺すっている。
「…ふぁ……ルル?」
大きなあくびをしながら目を擦っているユリウスを軽く睨む。
「もぅ!また徹夜したんでしょう!?体に悪いって言ってるのに!」
「うん…でも昨日読んでた本が凄くおもしろくてさ。つい寝るのを忘れちゃったんだよ。」
「それがダメなの!それで体を壊しちゃったら意味無いじゃない!」
そんな会話をしながら、やっと動き出したユリウスを急かして教室に入るのは、チャイムが鳴る直前。
まあいつもの事だけど。
高校生になってからユリウスは以前に輪をかけて体に無理をさせている気がする。