kaleidoscope
□プロローグ その時のこと。
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「本当にそうなんだ。意外〜…」
「ほんとよね…なら、私、ユリウス君のこと狙ってみようかな?」
「えー。止めときなって〜ーー・・」
2人はその後も何か話し続けていたけれど、私の思考は完全に違うところに行っていた。
ユリウスと私ってそんな風に見えるのかしら…う〜ん…
そんなことを考えながら歩いていたからかもしれない。
帰り道、ぼーっとしていた私は、気が付いたときには道に迷ってしまっていた。
歩いても歩いてもみなれた場所に行けない。
日も完全に暮れてしまった。
どうしよう、と途方に暮れて、半泣きになったとき、
ふいに後ろから声を掛けられた。
「ルル?こんなところでどうしたの?」
「きゃっ!?」
短く悲鳴をあげて振り返ると、驚いた顔のユリウスが立っていた。