kaleidoscope
□第一章 君が異性に変わってゆく
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そしてここはいつものバスの中。
困ったことになった。
いや、いつものことなんだけど、ユリウスは私の肩にもたれて眠ってしまったのだ。
そのせいで、綺麗な顔のラインとか、意外と長いまつげとか、安心しきっているような寝顔とか、目に入らずにはいられない。
少し浅い息づかいとか、年相応にがっしりした体格とか、体の温かさとか、感じずにはいられない。
ユリウスの整った顔がすぐ近くにあって、私は凄く狼狽えていた。
どうして今まで平気だったのだろう?
私は顔を上げることが出来なくて、ずっと俯いていた。
今、きっと真っ赤になっているだろうから、私はユリウスが目を覚ましませんように!と心から願った。