ユリウス×ルル

□四月馬鹿!
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そのとき、時計がちょうど12時を指した。

それと同時に、ルルが抱きついてきた。
…泣きながら。


「え!?あの、ルル?どうかしたの!?」


さっきあんなこと言われたのに、急にどうしたんだろう!?
そして何で泣いてるんだろう!?
ていうか、いつもは俺が人前で抱きしめたりすると怒るのに、こんなに人が多いところでルルから抱きついてくるなんて初めてだし、本当に意味が分からない!


「ごめんなさい!」

「ルル?」

「さっきのはエイプリルフールの嘘なの!」

「えっ…………!」


そっか。
そういえば、今日はエイプリルフールだ。


「アルバロに、
せっかくだから、ユリウス君がどんな反応するか試してみたら?って言われて、
やってみようかなって思ったの!
そこまで悲しそうな顔させるつもりじゃなかったの!
本当にごめんなさい!」


なんだ、そういうことだったのか。

俺はまだ泣いてりいるルルをぎゅっと抱きしめる。


「…ユリウス?怒ってないの?」


ルルがおそるおそる聞いてくる。
だから俺はもう一回力をこめて抱きしめて、こたえる。


「怒ってないよ。ショックだったけど、あれが嘘で安心した。ルルに嫌われたのかと思ったから。」

「……ごめんなさい…」

「だから、謝らなくて良いよ。でもそのかわりに、君からキスしてくれないかな。」

「………っ!?」


とたんにルルは顔を上げた。
その顔はもう真っ赤で、凄く可愛い。
ずっと俯いてたから、何だか久しぶりにルルの顔を見た気がする。


「えっと、ユリウス、それは…その……!」

「してくれないの?」

「〜〜〜〜っ!ユリウスはずるいと思うの…!」

 
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