*薄桜鬼*
□君の温もりが
2ページ/5ページ
「総司さん!総司さん!起きて下さい!」
それでも、私より大きなその体はガクガク揺れるだけだった。
頭をよぎったのは、銀の銃弾を受けたときのこと。
あの傷で削られた彼の命は、もぅ果てようとしているのかもしれない。
そうじゃないなら、
労咳が、もう彼の命を蝕み尽くしてしまったのかもしれない。
そう考えただけで、
私の目からは大粒の涙がいくつもいくつも流れ落ちた。
「総司さん!!総司さん!!お願いです!目を開けて下さい!
総司さん…!!!」
もう目覚めてくれなかったらどうしよう。
もう声も聞けなかったらどうしよう。
お願い、もう一度目を開けて!
お願い、お願いですからーーー・・・!
そうして祈るように揺さぶっていたら、
突然、総司さんは起きあがった。
私は驚いたけれど、なにより安堵して、
「良かった…!総司さん…どこか痛いところはありませんか!?」
と聞いたのだけれど、
「…………」
「……総司さん?」
何も言ってくれない。
顔を覗きこむと、
総司さんは気まずいような、何とも言えないような顔をしていた。