エスト×ルル

□誰にでもスキだらけ
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その時あの人を見つけたのは、ただの偶然だった。

ルル、と声をかけようかと思ったけれど、傍らにアルバロがいるのを見て、余計に係わって何か言われるのは面倒だと思い、
そのまま背を向けて歩きだそうとした。


しかし、僕は見てしまったのだ。
アルバロがあの人の唇にキスをしたのを。


「何するのよアルバロ!」


「いやぁ、何だかルルちゃんにキスしてみたい気分だったんだよね。」


「何よそれ!?意味が分からないわ!!」




そんな会話が聞こえて…僕は我にかえった。
そして逃げるように背を向けて歩き始める。


何なんだ、今のは。


アルバロもアルバロだが、ルルもルルだ。

いきなり恋人でも無い人からキスされたら、もっと怒るものではないか。

それとも、あの人の中ではそこまで重要なことではないのか。


僕はあの人の…恋人、なのに。

                  
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