エスト×ルル
□誰にでもスキだらけ
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その日はずっと苛々モヤモヤとしていた。
そのせいでいつも以上にしかめっ面になっていたらしく、
目があった者全員にビクッと一瞬おびえられた。
そのまま一日の授業が終わり、夕食まで部屋で本を読もうかと思っていたとき、
聞き慣れた声が聞こえてきた。
「エストー!」
ルルが前方から駆け寄ってきて、勢いはそのままに抱きついてくる。
何とか耐えようとしたけれど、やっぱりそのまま押し倒されてしまう。
「はぁ…ルル、いったい何回飛びかかるのはやめて下さいと言えば分かるんですか。」
僕が呆れながら言うと、
「だって、エストが大好きなんですもの!!」
駄目だ、ことばが通じていないらしい。
「はぁ…もういいです。とりあえず早く降りて下さい。重くて仕方ないのですが。」
苛々していた僕はいつもより刺のある言葉をかけてしまう。
「いつまでも乗ってたのは私が悪いけど、
お…女の子に向かって重いって言うのは酷いとおもうの!」
ルルは飛び起きながらそんなことを言う。