今日の後に今日なし。

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新しい島が見えてきた。


その言葉にテンションが上がった僕は、急いで甲板に出た。
途中迷ったけど。


それを察していたのか、僕の三歩後ろをついて来てくれてたマルコさんが、ため息をつきながら案内してくれた。頭が上がらない。






甲板に出た僕を出迎えてくれたのは、見渡す限りの海、海、海。



『わーー!!すっげー大海原!!!すげーー!』

「はは、今更かよい」


こちらに来た時や宴の時も甲板にいたわけだが、実際のところ、ゆっくりじっくり風景を見てる余裕なんてなかった。



船縁から少し身を乗り出して、軽く深呼吸してみた。


仄かな潮の香りが鼻腔をくすぐる。


頬を撫でる潮風が心地よい。

微かに聞こえる鳥の声が心地よい。

船に打ちつける波の音が心地よい。



広大な海を前に、改めて実感した。


僕は、船…しかも、海賊船に乗っているのだと。

少し、少しだけ、言いようのない恐怖感に襲われたのは秘密だ。




『………』

「どうかしたかよい?」

『っ、あ…いや、なんでもないです!!』

「…?そうかよい」

『ところで…え、島ってどこにあるんです?』

「あん?進行方向まっすぐにあんだろい」

『え????』



じっと目を凝らしてみる。
別段目が悪いわけではない。人並みだ。
豆粒くらいの大きさのものが見えなくはないが…。


船員さん僕らよりも前にあれを肉眼で確認できたの?え?

あ、望遠鏡?




『え、ええ…』

「まー、一時間もしないうちに着くだろい。用意でもして待ってろ」

『はぁい』





それだけ言い残して船内に戻っていった。

きっと彼も身支度をするのだろう。



まあ僕は何も持ってないので、用意するもの何もないですけどね!!







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