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□第二の試験
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「まず私が歩行可能かどうかを確認しろよ呼吸の数もおかしいだろォ!? 頭部の出血もかなりの量だぞォ!? 仮免持ちなら被害者の状態は瞬時に判断してうごくぞ!」
(要救助者の『プロ』って……そう言う意味も!?)
ただ演技するだけではない。救助者に自分を救けさせることでその対応の是非を見る役割も担っているらしい。
「こればかりは訓練の数がものを言う!! 視野広くぅ周りを見ろォ!!」
「……!」
確かに、周りの受験者達は既に手際よく行動を開始している。その大半は2、3年の上級生。1年しかいないこちらは、経験では数歩劣る。
(『何をすべきか』…考えろ)
「わたし、工場地帯に行く!」
「俺は今そっち行って引火とかしたら危ねえ……。別れるか」
「うん。後でね焦凍!」
それぞれが、自分の個性を活かせそうなフィールドに走る。
(あのHUC、減点って言ってた。つまりわたしたちにはそれぞれ持ち点があって、それをどれだけ残せるか…)
加点もある可能性は0ではないが、そういう希望的観測はやめた方がいいだろう。
「くそっ……ここどかしたら崩れるか……!」
「手伝います!!」
「! 君、雄英の!」
(これは一次試験みたく受験者同士が蹴落とし合うものじゃない。寧ろ他の受験者と協力して、自分ができる最大限、役割に徹する!)
『女郎蜘蛛』の糸で瓦礫を固定。崩壊を避けながら、被害者を救助する。
「あ、脚がっ、脚がっ……」
「固定します。大丈夫ですからがんばって!」
(『女郎蜘蛛』にしておいて正解だった)
汎用性が高いこの能力は、瓦礫を支えるにも、応急処置にも使える。
「できました! 救護所までお願いします!」
「任せろ!」
(いける……やれる!!)
経験の浅さは、申し訳ないが周りにカバーしてもらうしかない。それでも、やれることは多い。
(このまま救助を━━━━━━━!)
ガァアアアンっ!!
「!?」
地鳴りと炎。もうもうとたつ黒煙。
『敵が姿を現し追撃を開始!』
「なっ……」
『現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ、救助を続行してください』
つまり。これは。
(試験本番は、これからってこと……!?)