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□ハイツアライアンス
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「あ、みんな!!」
雄英敷地内。築3日目の生徒寮『ハイツアライアンス』。
その入口前に、クラス全員の姿があった。幸い、全員家族の許可がおりたらしい。
「紡ちゃんっ……紡ちゃんだぁあ〜!」
「お茶子ちゃん!」
「紡ちゃん、無事でよかったわ」
「梅雨ちゃんも!」
「うあぁあーん! 心配しだよぉおお゛!」
「三奈ちゃん、心配かけてごめんね」
「語部、大変だったんだってな」
「ほんと! 目覚まして話聞いてびっくりしたよぉ!」
「響香ちゃんも透ちゃんも、体だいじょぶなの?」
「「バッチリ!」」
「紡さん、お怪我は?」
「全快だよヤオモモちゃん!」
「あー、申し訳ないが感動の再会は後だ」
ぱんぱん、と相澤が軽く手を叩く。
「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ」
「無事集まれたのは先生もよ。会見を見た時はいなくなってしまうのかと思って悲しかったの」
梅雨の言葉は最もだった。生徒に戦闘許可を出したのは相澤。その責任を問われ、辞任することも十分考えられた。
「……俺もびっくりさ。まァ……色々あんだろうよ」
それより大事な話がある、と。
相澤は声を低くして言った。
「轟、切島、緑谷、八百万、飯田━━━━━━この5人はあの夜あの場所へ、語部、爆豪救出に赴いた」
「!」
紡と、救出に赴いた5人以外がぴくりと肩を揺らした。相澤は、静かに言葉を続ける。
「その様子だと行く素振りは皆も把握していたワケだ。色々棚上げした上で言わせてもらうよ」
「っ……」
「オールマイトの引退がなけりゃ俺は、爆豪、語部、耳郎、葉隠以外全員除籍処分にしてる」
「……!!」
紡は思わず唇を噛み締める。己の不甲斐なさが招いた、5人の行動。オールマイトの引退がなければ……この混乱状態がなければ、相澤は、きっと本当に、皆を雄英から追放していただろう。
「行った5人はもちろん、把握しながら止められなかった12人も、理由はどうあれ俺達の信頼を裏切った事に変わりない」
「………」
いつかの、面構署長の言葉が蘇る。ステインと交戦したあの日……。誓約を破った、あの日。
(わたし、みんなに規約違反をさせちゃったんだ……)
「正規の手続きを踏み、正規の活躍をして、信頼を取り戻してくれるとありがたい」