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□部屋王決定戦
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1階、共同スペース。
一足先に部屋をつくった男子達は、これからの共同生活について談笑を楽しんでいた。そこへ、三奈を先頭に女子達がやってくる。

「男子部屋できたー?」

「うん。今くつろぎ中」

上鳴の返答に、女子達がよし、と笑う。

「あのね! 今話しててね! 提案なんだけど! お部屋披露大会しませんか!?」




「わああダメダメちょっと待━━━━━━!!!」

いの一番に犠牲になったのは出久である。必死の抵抗虚しく、無情にもドアは開かれた。

「オールマイトだらけだ! オタク部屋だ!」

お茶子の言う通り、壁一面に貼られたオールマイトポスター、部屋いっぱいに飾られたオールマイトフィギュア。カーテンやカーペットまでオールマイトカラーだ。

「流石いずっくん……」

「憧れなんで……恥ずかしい……」

しかしこれだけあると圧巻だ。ちょっとした記念館ではないか。

「凄いね。ね、焦凍」

「……………」

「焦凍?」

「眠い……」

「だいじょぶ? 疲れてるなら部屋戻ってていいんだよ?」

「お前が起きてるなら、起きてる……」

「!」

(か、かわっ………)

少し甘えたような声。どうにもたまらない。

「……手」

「?」

「……………連れてけ」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

(焦凍が可愛い!)

きゅ、と手を握られれば、それを振りほどく理由もない。片手でこしこしと目をこする焦凍を連れて歩くことにした。

「あ! つむぎっち轟と手ぇ繋いでる」

「なんかもう、可愛すぎてっ……」

「え? 轟が?」

コクコク頷く紡に、お茶子がにまにま笑う。

「ラブラブやんね〜」

「いい……焦凍が可愛いから今は何言われてもいい……!」

恥ずかしさより焦凍可愛さが勝った瞬間である。
さて、出久の部屋が暴かれた、その次は。

「フン、くだらん……」

「あ、常闇くん」

下らないと言いながら自室のドアを背に腕組みをしている常闇。明らかに人を入れてくなさそうだったが、三奈と透に押しのけられてしまった。果たしてその部屋は……

「黒!! 怖!!」

「貴様ら…」

無理やり押し入られ、わなわなと震える常闇。彼の部屋は、出久とはまた違った意味で趣味全開だ。
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