3

□それぞれの成長
1ページ/4ページ


「届いたのか、コスチューム」

「うんっ」

数日後、申請をしていたコスチュームが届いた。耐熱性を上げ、要所要所の耐久性も上げた。

(形は相変わらずSINoA○ICEだけどね……)

ソーサラーグレーテルが、ガンナーグレーテルになって返ってきた。ちなみに色は前と同じ、深みのある赤。

「似合ってる。可愛い」

「別にっ、可愛さを求めてるわけじゃっ……」

「ならお前は何着ても可愛いんだな」

「……どこでそんなの覚えてくるの」

「……? 思ったまま言っただけだ」

(天然タラシめっ……!)

彼はもっと自分の破壊力を自覚した方がいいと、紡は思う。

「……まあ、とにかく今日も頑張ろうね!」

「おう」

皆も、それぞれ自分の必殺技を完成させつつある。勝己に至っては、既に複数の技を完成させようとしていた。

━━━━━━━バアァンッ!!

「うわっ」

がなる轟音に、思わず肩が跳ねる。振り返れば、勝己の新技、「徹甲弾」で貫かれた分厚いコンクリートの壁。

「すご……」

彼自身を表すような技だ。というか、勝己の技は個性も相まってかなり攻撃的だ。敵を倒す。その一点に特化していると言える。

ぴしっ……

「……! 危ない!! オールマイト先生!!」

気づいた時には、崩れたコンクリートが落下。その真下には、オールマイト。

「あ、オイ上!!」

勝己も気づいて声を上げるが、その時には既にコンクリートはオールマイトのすぐ頭上。

(間に合わない……!)

誰もが顔を青ざめさせた、そのときだった。

「!」

凄まじいスピードでオールマイトの前に躍り出る影。それは一瞬にして、落下してきたコンクリートの塊を粉々に粉砕した。

「い、いずっくん!?」

軽やかに地面に降り立ったのは出久だ。しかし、使ったのは拳ではなく、足。

(すごい……!)

発想の転換。既成概念にとらわれない、その姿勢。
皆もそうだが、こと出久に関しては入学してからの成長が著しい。

(わたしも、負けられない……!)

俄然、やる気が出てきた。

「エクトプラズマ先生、もう一回……」

「そこまでだA組!!」

「えっ?」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ