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□それぞれの成長
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「届いたのか、コスチューム」
「うんっ」
数日後、申請をしていたコスチュームが届いた。耐熱性を上げ、要所要所の耐久性も上げた。
(形は相変わらずSINoA○ICEだけどね……)
ソーサラーグレーテルが、ガンナーグレーテルになって返ってきた。ちなみに色は前と同じ、深みのある赤。
「似合ってる。可愛い」
「別にっ、可愛さを求めてるわけじゃっ……」
「ならお前は何着ても可愛いんだな」
「……どこでそんなの覚えてくるの」
「……? 思ったまま言っただけだ」
(天然タラシめっ……!)
彼はもっと自分の破壊力を自覚した方がいいと、紡は思う。
「……まあ、とにかく今日も頑張ろうね!」
「おう」
皆も、それぞれ自分の必殺技を完成させつつある。勝己に至っては、既に複数の技を完成させようとしていた。
━━━━━━━バアァンッ!!
「うわっ」
がなる轟音に、思わず肩が跳ねる。振り返れば、勝己の新技、「徹甲弾」で貫かれた分厚いコンクリートの壁。
「すご……」
彼自身を表すような技だ。というか、勝己の技は個性も相まってかなり攻撃的だ。敵を倒す。その一点に特化していると言える。
ぴしっ……
「……! 危ない!! オールマイト先生!!」
気づいた時には、崩れたコンクリートが落下。その真下には、オールマイト。
「あ、オイ上!!」
勝己も気づいて声を上げるが、その時には既にコンクリートはオールマイトのすぐ頭上。
(間に合わない……!)
誰もが顔を青ざめさせた、そのときだった。
「!」
凄まじいスピードでオールマイトの前に躍り出る影。それは一瞬にして、落下してきたコンクリートの塊を粉々に粉砕した。
「い、いずっくん!?」
軽やかに地面に降り立ったのは出久だ。しかし、使ったのは拳ではなく、足。
(すごい……!)
発想の転換。既成概念にとらわれない、その姿勢。
皆もそうだが、こと出久に関しては入学してからの成長が著しい。
(わたしも、負けられない……!)
俄然、やる気が出てきた。
「エクトプラズマ先生、もう一回……」
「そこまでだA組!!」
「えっ?」