3
□第二の試験
1ページ/4ページ
「紡さん!」
「あ、ヤオモモちゃん! 梅雨ちゃんに響香ちゃん、障子くんも! みんな合格したんだね!」
「紡ちゃんと轟ちゃんもなのね。良かったわ」
「やっぱ2人がウチらん中で一番乗りか」
「流石だな」
百たちに続き、出久や勝己たちもやってきた。最後の最後までもつれこみ、ギリギリ合格した者達もいたが、なんと1-Aは予選全員クリアを果たすことが出来た。
「ヒヤヒヤしたけど、みんな合格できて良かった!」
「ああ。次はどんなもんか……」
『えー、100人の皆さん、これご覧下さい』
モニターに映るのは、先程まで試験が行われていたフィールド。
「? なんだろね」
「次も同じフィールドでやんのか……?」
「まあ、これだけ大掛かりなフィールドだし、1次だけの使い捨てじゃ勿体ないと思うけど……」
ズンッ━━━━━━……
「………え?」
地鳴りのような響きに、ぐらりとフィールド上のビルが傾いた。次の瞬間。
━━━━━ダアァァアンッ!!
「!?」
ビルが、塔が、山が、火をふいて崩れていく。まるでジオラマでも壊すようにいとも容易く崩壊するフィールドに、受験者たちは驚きを隠せない。
「え、なに。なんで?」
『次の試験でラストになります! 皆さんはこれからこの被災現場で、バイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます』
「救助演習か」
「…………………戦闘じゃないんだ」
「なあ、ほんとお前何言われたんだ」
「気にしないで。……ってあれ!? 人がいる!!」
倒壊したフィールド中に現れた人影。中には怪我をしている人もいる。
『彼らはあらゆる訓練にはおいて今引っ張りダコの要救助者のプロ!! 「HELP・US・COMPANY」略して「HUC」の皆さんです』
「よ、要救助者のプロ……?」
「よく見りゃあれ、血糊か」
試験内容は、傷病者に扮した「HUC」の救助活動。それをポイントで採点し、基準値を超えれば合格となる。
「ずいぶん曖昧な説明だな」
「うん。加点方式なのか減点方式なのか……それに、基準の点数も明かされないなんて……」
「わからん以上は訓練通りやるだけだな」
「うん…」
「おい、士傑こっち来てんぞ」
「!」
切島の声に振り返ると、その言葉通り士傑高校の面々がこちらに近づいていた。