フェアリーテール
□戦闘訓練
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「わーたーしーがー!!
ーーーーーーーー普通にドアから来た!」
ドアから勢い良く現れたオールマイト。出久が、シルバーエイジのコスチュームだと興奮している。いや、出久だけではない。わかっていたとはいえ、No.1ヒーローが目の前にいるのだ。しかも、これから直々に指導してもらえる。ヒーローを志す者として、この状況にどうして興奮を抑えられるだろう。
(ほんとに、オールマイトだ……!)
なんというか、画風が違いすぎる。主線がぶっとく描かれているのがわかる。アメリカンすぎて、マーベ○ヒーローズを思い出した。
今日の午後はヒーロー基礎学。
あくまで「基礎学」だし、それに初回だ。予想としては、まずは座学かと思っていたのだが。
「早速だが今日はコレ!!」
(いや、ほんと早速すぎるんだけど)
「戦闘訓練!!!」
全くこの学校、ヒーローに関するカリキュラムはめちゃくちゃである。
「コスチュームか」
ヒーローに憧れを抱いているからには、これはワクワクする。
とはいえ、紡の個性は何かに特化しているわけではないので、彼女自身、要望をどうするかでかなり悩んだ。あれこれ考える内に結局わからなくなり、とりあえず「動きやすい」ことを重視してほしいと伝えた。また、これは好みの問題だが、一応個性が個性なので、やりすぎないくらいのメルヘン要素を入れたいと希望した。確かに、希望した。わかりやすいように、「とあるゲーム風味で」と指定した。
正直、やっちまったなぁと思った。
「……SIN○ALICEまんま」
(あれ、わたし『風味』でって書いたよね? コレだいじょぶかなぁ? 丸パク? いや、まあでも、送られてきたってことはだいじょぶってことだよね?)
「……にしても、ソーサラーグレーテルとは、やるじゃないか」
服の形状はソーサラーグレーテルから鎖をなくしたような印象だ。ただ、色は深みのある赤だから、赤ずきんのようにも見える。
(あ、ちゃんとホットパンツだわ。よかった。ソーサラーグレーテルって一見履いてないみたいだからね)
わからない人はSINoAL○CEで検索しよう。
色々思うところはあるが、なかなかかわいいからいいか、と思うことにした。
「おおお! 紡ちゃんかわいいね! 赤ずきんみたい!」
「えへ。ありがと。お茶子ちゃんは……なんか、セクシーだね」
ぴっちりしていて、体のラインがはっきり見える。
(触れたくなるうららかボディ……)
「恥ずかしいよぉ。要望ちゃんと出さなかったからパッツパツで……」
「ううん。すっごくかわいいよ」
「そ、そうかな、えへへ」
(お茶子ちゃんてピンク似合うなぁ)
そして、セクシーと言えば百である。胸元が大きく開いていて、その着こなしはとても高校生とは思えない。梅雨は、自分の個性をかなりしっかり考えたのだろう。能力を最大限活かせるのが一目でわかる。
みんながみんな、思いのこもったコスチューム。その人がどんなヒーローになりたいか、少し見えるのが楽しい。
「じゃあ、行こっか」
「うん!」
(さて、どんな授業になるのかな)