駄文(妄想ver)

□セイレーン可愛いよ橋本怨む
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もうそろそろ打ち合わせに
出かけなければ間に合わない。

いつの間にか、ハシホモがそばに
やってきて、一緒に歩いている。
「おや、お肌が乾燥しているようですね。
加湿機をもっとご利用になられたら
いかがですか。セイレーンさんの美貌が
損なわれるだけでなく、
御手がひび割れてしまいますと、
そこから病気の菌が入りますし、
それが悪化なさると……」
「たいしたことはない、うるさい黙れ」
「しかし、万一ということも……」
本当にうるさい奴だ。

ハシホモは歩きながらカバンから
クリームを出した。そして
俺の手をこわごわ取ると、
赤子を撫でるかのような優しい手つきで
クリームを塗りはじめた。
手が塞がってとても迷惑だ。

十字路のある地点に近づく。
俺の手にクリームを塗り終えた
ハシホモはさっと駆け出した。
横から自動車やオートバイの
来ないことを確認し、俺に
合図してくれる。
だから、交通事故にあう
心配はないのだが、
とにかく余計なお世話だ。

ハシホモはこうも言う。
「セイレーンさん、向こうの道を
おまわりになってください」
「どうして」
「この先でビルの建築工事が
はじまりました。もし、上から
なにかが落ちてきて、ぶつかったり
すると………」
「そんなこと、死神がうろついてない
限りありえない!」
こいつは、そこまで無駄に情報を
調べてきたのかと感心半分、
呆れ半分の気持ちになった。

「しかし、万一ということも
ございますので……」

ハシホモの強い勧めに従って、
しぶしぶ俺はそっちに進んで
やることにした。
Twitterに、行く道を変える、とだけ
呟いて、ハシホモの忠告に従ってやる。
ハシホモは隣でまた、
歩きながらのTwitterはおよしに
なったほうが…とぶつぶつ言っている。
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