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□依頼変更
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あたしたちは今、依頼の間使っていいと言われた部屋に待機していた。
ナツはソファーに、ハッピーはテーブルの上に座ってつまらなさそうにしている。
あたしはと言えば…
「うふふ…」
お財布の中に納まっている70万Jを、ベッドの上で見つめている。
今まででこんなにお財布の中身が潤ったことはあっただろうか。
緩んだ頬は引き締まらない。
「…ルーシィ気持ちわりぃーぞ」
「あい…」
いつもならここできぃーきぃーと怒り始めてしまうはずなのだが、今のあたしはなぜかとても穏やかだった。
「そんなこと言わないの。帰ったらあんたたちにも何かご馳走してあげるから」
ニコニコしながら笑顔で…お金を見ながら言った。
「…つまんねーな」
「あい」
ぶーぶーと文句を言うナツとハッピーを無視して、そっとお財布を閉じてカバンの中に入れた。
すると、ギィーという音を立てて部屋の扉が開かれる。
開いた扉の向こうにはマスキーさんが立っていた。
今はまだ5時すぎ。
依頼の時間までまだ二時間もある。
「あの、どうかされましたか?」
ベッドから素早く降りて、身なりを整えて話かける。
一瞬マスキーさんは体をビクつかせたが、一つ咳払いをした後、ゆっくりと口を開いた。
「少し…依頼内容を変更させてもらってもいいですかな」