雑多
□寒さ
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※BLです
※ランカノ小説、「手を繋ぐだけで幸せなのさ!」のロイチェVer.です
※それでも宜しければ、お手数ですがスクロールをお願いします
どさりと間抜けな音がする。…ああ、これはオレが立てた音でもあったか。
雪降る森の中での焦げた臭いに顔をしかめつつ、オレ以上に真っ黒になってしまったロイドを助け出す。
「あ、ありがとなチェスター…助かったぜ」
「礼なんていらねぇよ。次は助けねぇからな」
ええーだの、そんなーだのの反応はどうでもいい。むしらうぜぇからやめてくれ、頼む。
服にズボンに、真っ白な雪が付着してしまっている。早く洗わないと染みになっちまうかな…
出来るだけ、手で服に付いた雪を払う。
「なあ、なんでランシェは怒ってたんだ?」
「知るか。お前の空気の読めなさには感服するぜ…」
「かん…?
なんだそれ?」
「……」
こいつここまで馬鹿だったのか。リフィルの苦労も納得出来る気がする。いや、オレにも学があるとは言えないが。
ちらちらと降り続ける雪と、凍えた空気にくしゃみをする。…あれ、マント、どこだ?
「チェスター?そんな薄着で大丈夫かよ?」
「うるせ…こんぐらい、屁でもねぇよ」
「でも、震えてんじゃん。暖めてやろうか?」
呆れた目を向けると、にやにやと言うにふさわしいロイドの顔がすぐそこにある。近い、近いぞ?
「チェスター、冷たいなあ。雪みたいに白いし…ちゃんと食ってんのかよ?」
「白いのは生まれつきだ!」
「俺より身長あるのに俺よりも細いよなあ?」
ぞわり、背筋に不快感。撫で上げられたのだと理解するより前に、唇に柔らかな感触。
それも、すぐに離れる。代わりにきつく抱き締められる。
「ほら、こうしてりゃちょっとはマシだろ?」
「…キスする意味はねぇだろ」
頬を上気させて笑うロイドは確かに暖かい。重ねられた唇も暖かかった。
だけど、服の裾から、素肌を晒した所から冷たすぎる空気が入り込み、吐き出す息は真っ白い。連れてきたくせに置いていったランシェに呪詛の念を吐きたくなるほとで、いっそこのまま帰ってやろうかとも思う。
「チェースター?」
「なんだよガキ体温」
「同い年だろ…」
不満を滲ませる顔に笑って、ロイドの跳ねた髪を撫でて。気持ち良さそうに目を細めるロイドに、こちらも幸せな気分になった。
しばらく二人で、寒さを忘れたように笑い合う。
「…二人きりとか、久し振りだな?」
「まあ、公言はしてねぇしな。オレは千秋みてーに開き直れねぇよ…」
「チェスター不足で死にそうだって言っても?」
「だったら今の内に充電しとけ、バカロイド」
ぶっきらぼうな口調だけれど、それでもロイドは嬉しそうで。ランシェとカノンノが通り掛かるまで、しばらく二人で温めあった。
寒さも場所も全部忘れて
(お前とだから出来るんだ)
「ロイド、ランシェ達が戻ってきた。離せ」
「えー、もうちょい…」
「ふざけんな、後々面倒になるのはごめんだ…っこら、離せって!(じたばた」
「嫌だってー!まだいける…っわあ!(ぼすっ」
「……また雪まみれかよ…」
「何してるのさ二人とも…」
「ずっとそのままだったの…!?
早くお風呂に入らないと!」
「ちぇー…もっとくっついてたかっ「ありがとうなカノンノ、ランシェも役に立てねぇで悪い」
「別に良いよ。…風邪、引かないようにしてよね」
ロイチェは隠れていちゃついてればいい^q^
途中で大分放置してたので、文体とかノリとかが変わってたらそのせいです(笑
ロイチェは…もっとときめくものなんだ…!
ここまでお読み下さり、ありがとうございました^^*
20091112