ライ☆オン高校生
□ライ☆オン高校生
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『 安藤 雪さんへ
突然こんな手紙書いてゴメン。
でも、どうしても直接いえなくて、俺がアナタに告白できる唯一の方法はコレしかないと思ったから。
俺、雪さんの事が好きです。
今年はじめて同じクラスになって、短い間だったけど、雪さんと会話した時俺に向けた笑顔がとても素敵で…
どんな結果であれ、返事を待っています。
俺の下駄箱に入れておいてほしいです。』
綾瀬 高時17歳。
たった今、俺より先に青春を迎えようとしている奴を…しとめたぜ!!!
(ら・ぶ・れ・たーだーーーーー!!!!///)
「ーーーっ!!!!」
言葉にならない叫びをあげてラブレターを握り締めた。
俺の真下の下駄箱はコイツのお目当てのクラスでも大人しい美少女、安藤 雪さんの小さなスリッパが収まっているだろう。
コイツはとんでもねぇミスをした。
「(下駄箱の場所間違えたうえに、自分の名前も書き忘れるほどの馬鹿とは…)」
癖毛の髪が今日はえらくサラサラに感じる。
調子こいて貴族のように、手櫛でサラッとかきあげようとしたがからまった。
「(そんな事よりも…)」
高時は迷った。
このまま手紙をズタズタに引き裂いて無かった事にするのもいい。
でもそれじゃあ謎の差出人がまた手紙を出す可能性がある。
いや、それどころか俺の下駄箱に手紙をいれた事に気付いたら…
謎の差出人『うわっ、俺男にラブレター出しちゃったよ!っく…綾瀬 高時…っ!!!俺のピュアなラブレターを読みやがってーー!!!許さん!!!!』
「俺の命が危うい………」
「アレっ?たっかじ〜ん!おはようー!!」
「うわっ!っか、加藤?!」
横からタックルされ手紙を落としそうになる。
この馬鹿に見つかる前に早く隠さないと…
「アレ?…なになになにーー?!もしかしてラブレター?!!」
やってしまった…
「っそ、そうだ…」
とっさに嘘をついてしまったけどしょうがない。
嘘も方便だしな。意味は分からないけど。
「またまたぁ〜。たかじんにラブレターなんてありえないよな。
一瞬、まだ夢見てるのかと思った。」
「一生夢見てろ。」
くそっ。俺よりちょっとモテるからって…。
そりゃあ、お前が言ってる事は正しいぞ、加藤。
でもありえない、は無いだろ…。
「で、誰からの、誰宛のラブレター?」
「俺宛だってば。」
「嘘つくなよ!どうせ場所間違えてたかじんの下駄箱に入ってたとか言うオチだろ?」
「え………」
「そういう漫画読んだことあるし!」
(少女マンガかよ!!)
本当に嘘ばれてるのかと思ったよ!!
「い、いや…マジで俺のだから。一時間目サボる!」
「え?一時間目美術だぞ?お前の大好きな粘土をこね回す時間だぞー?」
「好きじゃねええー!!」
笑えない冗談に真面目に突っ込んで屋上へ向かった。