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□逆ハー狙いと妹と
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逆ハー狙いなオリキャラが2人います。
名前は「麗」と「愛」固定。
夢主の姉設定です。
ただしこの2人普通の逆ハー狙いとは少し違います。
そして視点がころころ変わります。
上記のことが「大丈夫!」という方みお進みください。
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私には可愛い姉が2人いる。
ふたつ年上の、麗ちゃんと愛ちゃん。
本当はお姉ちゃんと呼びたいところだけど、私にとってはどちらもお姉ちゃんだし、分かりづらいから名前で呼んでいる。
ちなみに、麗ちゃんと愛ちゃんは二卵性の双子だ。
麗ちゃんはふわふわの髪とタレ気味な目を持った可愛さで、愛ちゃんはストレートな髪と少しつり目気味のどちらかといえば美人さん。
そんな美少女2人の妹である私は、まあ、たぶん普通の容姿だと思う。
それこそ村人B的な。
麗ちゃんと愛ちゃんのように超絶美少女ではないのは残念だが、よくよく考えて欲しい。
私はこの美少女の唯一の妹なのだ。
つまり間近で2人をじっくり見られるし、一つ屋根の下で暮らせるということ。
だって美少女なんて皆好きでしょ?
麗ちゃんと愛ちゃんが通っていた青春学園中等部に、この春私も無事進学することができた。
私立校だから受験しなくちゃダメで、私は麗ちゃんと愛ちゃんと同じ制服を着たいがためだけに猛勉強したようなものだ。
残念ながら部活は私だけ別になってしまったので、学校での関わりはほとんどないけれど。
麗ちゃんと愛ちゃんは、誘われたからという理由もあって男子テニス部のマネージャーをしている。
聞けば、青学の男テニは強豪らしく、麗ちゃんと愛ちゃんはそんな強豪を陰で支えているらしい。私の自慢である。
私はテニスなんてわからなかったけど、麗ちゃんと愛ちゃんがあまりにも楽しそうにテニス部を応援するもんだから、悔しくって女テニに入部した。
まあ素人だしレギュラーなんてまだまだ遠い存在なんだけど。
先輩たちも優しいし、同輩とも仲良くできてるし、何より私がテニスをすることで麗ちゃんと愛ちゃんとますます話題が増えたのだ。
だから私はテニスが好きだ。
麗ちゃんと愛ちゃんに、ちゃんと見てもらえるから。
「…神野って、大概シスコンだよね」
頬杖をつきながら、私が語る今日の麗ちゃんと愛ちゃんの話を聞くのは、クラスメイトの越前だ。
越前曰く麗ちゃんと愛ちゃんの様子には全く興味がないらしいが、何だかんだしっかり私の話を聞いてくれてるので実は嘘なんだと思ってる。
麗ちゃんと愛ちゃんを好きにならない男の子なんて、私は知らない。
むしろ麗ちゃんと愛ちゃんの魅力を感じない男って何者!?とすら思ってしまうほどだ。
だから、うん。越前のいうシスコンというのは私にぴったりな言葉である。
まあ、麗ちゃんと愛ちゃんの魅力に気がついても好きになっちゃイヤだけどね!
これ以上ライバルは増えたら困る!
「だって大好きだもん!……あ、越前のことも結構好きだよ?私の話ちゃんと聞いてくれるの、越前くらいだし」
私の麗ちゃんと愛ちゃん語りは、人によっては随分と苦痛らしい。
私にも同性の友人はそれなりにいるけど、全員私の話をきちんと聞いてくれないのだ。
別に悲しいとは思わないけど、どうして麗ちゃんと愛ちゃんの良さを分かってくれないのか疑問ではある。
「神野って色々残念だよね。…洗脳されてるレベルで好きじゃん、あの人らのこと」
「洗脳とか失礼な。私はこの12年間私のことを大事にしてくれたお姉ちゃんたちが大好きなだけだよ、それって普通でしょ?」
「…さぁ。俺は兄妹いないし」
そういえば越前は一人っ子らしい。
まあ、いとこのお姉さんはいるらしいけど。
…越前はそのお姉さんのことが大好きってわけじゃないのかな?
嫌いではないみたいだけど。
「ね、それより部活での麗ちゃんと愛ちゃんの話聞かせてよ!越前男テニでしょ?」
「先輩らに囲まれてる」
しれっと答える越前の情報は、私が既に知っている内容だった。
麗ちゃんと愛ちゃんは可愛い。
だから、当然のようにモテモテなのだ。
つまり、麗ちゃんと愛ちゃんが所属している男子テニス部には毒牙が大量というわけである。
テニス部でも麗ちゃん派と愛ちゃん派で派閥があるらしく(越前情報)、ゲーム形式の練習メニューではかなり盛り上がりを見せるらしい(越前情報)。
ま、麗ちゃんと愛ちゃんの前でいいとこ見せたい気持ちはよくわかる。
私も、麗ちゃんと愛ちゃんが応援してくれたらいつもの倍速く動ける気がする。
「…ちなみにだけどさ。越前はどっち派なの?」
私の問いに、越前はきょとんとした表情を浮かべる。
そして呆れたように溜息を吐き、ぶすっとした様子で小さく舌打ちを漏らした。
え、なんで舌打ち。
「だから、どっちも興味ないって言ってんじゃん」
「嘘つけ。私の話いっつもしっかり聞いてるくせに!」
「…それはお前があの人らの話しかしないからだろ」
確かに、口を開けば麗ちゃん、愛ちゃんという名前がすぐに出てくる。
でもしょうがなくない!?
あんな魅力的な美少女がすぐ間近にいたら、普通語るでしょうよ!
「じゃ、私が別の話してもちゃんと聞いてくれるの?」
「は?何当たり前のこと聞いてんの。…俺がちゃんと話聞いてんのは、神野が喋ってるからなんだけど」
…それはそれでなんか恥ずかしい。
やがて越前自身も恥ずかしいと思ったのか、カッと顔を赤らめて勢いよくそっぽを向いた。
……あれあれ、越前がなんか可愛く見えるぞ。
「…こっち見ないでくれる」
「だって越前、顔真っ赤…」
「うるさい!」
教科書で頭叩かれた。解せぬ。
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