神の愛娘。

□第二話
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入学式から数日経ち、今日から部活動が始まる。

私は文芸部に入部した。
まあ、部員は私だけで、今年誰も入部しなかったら廃部になってたらしいけど。

本は読むのも書くのも好きだし、今まで書いてたやつを顧問の先生に見せたら気に入られた。

文集作るぞって張り切ってたけど作品作るの私だぞ、とか思いつつ。

書くのが好きだから問題ないけど。

顧問の先生が校長とか生徒会にかけあって私はパソコンをどこでも使用可能になった。

パソコンで作品を書くことが多いかららしい。
まあ、校長の許可があるなら問題ないだろうと文芸部の備品であるノートパソコンを拝借した。
ちゃんと顧問の許可はとってるから問題なし。



翌日。

「はよ」

「あ、リョーマ君おはよう」

リョーマ君に挨拶をされたので、挨拶をかえす。

「瑠璃、結局何部はいったわけ?」

「文芸部!先生がね、文集作ってくれるっていうから私も張り切ってるの。あと、校内でもノートパソコン使用可能にしてくれた」

「へぇ…良かったじゃん」

リョーマ君が私の頭を撫でながら言う。

「うん!リョーマ君はテニス部でしょ?」

「とーぜん。あ、今度瑠璃が書いたやつ読ませてよ」

リョーマ君、そういうの興味ないと思った。

「私のでよければ。今度USBメモリもってくるね」

「ん」

私のだから読みたいと言ってくれたのかは甚だ疑問だが。

「リョーマ君、テニスお疲れのでませんように」

「…何それ」

「目上の人に対する頑張れの意味」

「日本って面倒だよね」

リョーマ君が溜息混じりに言った。

「縦社会も同音異義語も日本だけだしね。先輩後輩って日本にしかないらしいね」

「少なくともアメリカにはなかったけど」

「帰国子女だもんね」

「まぁね」

リョーマ君があくびを噛み殺しながら言った。

リョーマ君、睡眠不足はよくないよ。

寝る子は育つって本当らしいし。
成長ホルモンが分泌されるんだっけ?

考えていると、思考を途切れさせるようにチャイムが鳴った。
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