そうこ
□1周年企画
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『こどものじかん』
「腹減った…」
「そうだな。さっさと食堂に行こうぜ。」
クエストを終えたルークとユーリは、小腹を空かせて食堂へ向かった。
「あ、ルークにユーリだ…2人ともクエスト帰り? 」
「おう。つーか、カイル…何持ってんだ?」
ちょうど食堂から出てきたカイルが、両手に何かを持ってルーク達の前に来た。
「これ?これは、お饅頭っていうお菓子なんだって!」
「確か、しいな達が教えてくれた菓子だったな。」
カイルの持っていたお饅頭の山を見て、ユーリが記憶を巡らす。
「へぇ、これが…なぁ一個くれよ?」
「いいよ!ユーリもいる?」
「あぁ。」
カイルは持っていたお饅頭から1つずつルークとユーリに渡した。
ルーク達は小腹が空いていたこともあり、その場で食べ始めた。
「…あ、美味い。」
「俺は、もう少し甘くても良いけどな。」
好き勝手な感想を述べながら、残りの半分をルークが口に含んだ時…
「へぇ、俺も早く食べてみたいな…でも、ロニ達と一緒に食べてってハロルドに言われたし…」
ルークは饅頭を飲み込んだ状態で固まり、ユーリは持っていた残りの饅頭を落とした。
「おい、今…ハロルドって、言ったか?」
「え?うん。これ、ハロルドから分けてもらったんだ!」
ユーリの問いに、カイルが能天気に答えた。
「っそういうことは、早く言えっつーの!」
思わずルークが声を荒げるが、時すでに遅し。
ルーク達は嫌な予感に、顔を青くした。
「あら?予定と違うけど、まぁ良いわ…さぁて、実験結果はどうなるかしらね!」
そんな台詞が何処からか耳に入ると同時に、ルークとユーリは込み上げる熱で意識を飛ばした。