tennis.


□おとまり。
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寒い寒い冬の夜。

毛布を何枚かぶっても、
爪先からゾクッとするような寒さを感じる。



そんな夜の日。

あたしは彼氏のユウジの家に泊まりに来ていた。
隣で寝ているユウジの横顔をチラチラ見ながら、早まる鼓動をおさえる。



だってさ、

彼氏とさ、

同じ部屋でさ、

隣で寝てるんだよ。


これは、もう、アレしかないでしょう。
アレでしょ。
アノ雰囲気になるでしょう。

うん、なるはず。



……なるはずなんだけど、









『…ユウジ?』

「……」

『ユウジー?!』

「おま、…今寝れそうやったのに」

『…だって、』

「『だって』やない。はよ寝ろや」



…………………………



『ユウジって本当に男?』

「……は」

『本当に男なのって聞いてんの。』

「男ですけど」

『いや男じゃないッッ!!!!!!!!』

「男じゃッ!ボケ!」

『……』




じゃあ何で、なにもないの…

あたしに魅力がないの??




『……ねぇ』

「ん」

『……あたしのこと嫌い?』

「…はぁ?なんやねん、いきなし…」

『……嫌いなの…?』

「…いや、んなわけないやろ」




じゃあどう思ってんのよ


そう思いながら、

『おやすみ』と布団にもぐった。




「…」

『えっ‥、ちょ、きゃっ!』


えええッッ!?
なになになに!!?


いきなり布団をまくられ、
ユウジがあたしの上に乗っかってきた。


『なっ…、ななな』

「焦りすぎや」

『だ、…だって、』

「こうしてほしかったんやろ」

『……っ』



優しく降りかかってくるキス。

幸せで死んじゃいそう。



「…しまいや」

『……ぇ…』

「続けたら止まらへんくなる」

『っっ…』

「…すまん」

『……う‥うん、…』






なら、続きは
また今度。


























◆おとまり。◆


えり様っ!
ここまで読んでくださってありがとうございました!

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