ボンゴレ+キャバッローネ

□桜 〜消えない記憶〜
1ページ/1ページ








「桜・・・」



春。


桜を見ると思い出す、大分昔の黒曜の戦い。


・・・ふん


僕は負けた訳じゃない。


そりゃあ一回目は負けたかも知れないけど、あれは桜があったからだし、奴も自分の力で勝った訳じゃない。






『貴方程度の人間は何人も葬ってきた。


地獄の様な場所でね』


確か、こんなことを言って、僕を踏んだり蹴ったり。


幻覚の武器や妖怪の様な物で脅したりもした。


―――僕はひいたりしなかったけどね。


だって、僕は並盛に君臨する、いわば王。


今も、昔も。


「まだ僕は、貴方を咬み殺してないよ」






―――――――――あれから僕は幻覚を勉強した。


幻覚とは、今その空間に無いものを造り出す術。


術師達には現実が見えていて、幻覚にかかった人は自分の想像力で死んだみたいなもの。


術師から見れば、更地で人がもがき苦しんでいる様らしいね。


僕がもがき苦しむ側だったなんて、考えたくもない。


ありえないよ。






「きょーやー!!早く来ねーと戦ってやんねーぞ!!」


「・・・・・・分かったよ」




ねぇ、僕はもう幻覚には引っ掛からない。


霧の守護者にもトレーニングしてもらったし、跳ね馬とも対等に戦えるようになった。


・・・ねぇ、今度こそ実力で戦おうよ。


勝ち逃げなんて許さないから。









六道骸―――――









(でもまだ君を)
(追いかけていたいと思う)
(この気持ちは何?)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ