短編

□今宵、月が見えずとも
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今宵、月はどこを照らすの?

今宵、君が見上げた空には月が見えてるの?

今宵、君は……誰を抱いてるの?







最後の答えは、きっと決まっているのだろう
きっと、きっと、きっと……



あの人が自分を見ていないことなど知っていた
あの優しい瞳が誰をうつしていたのかも
自分に向けられる冷たいものとは違う、優しくあたたかい…




「…っ」


空と一緒に泣く、啼く、鳴く……

知ってたんだ。きっとこうなるだろうって
だから、離れゆく手を掴むことさえ、できなかった





君に届かなかった 愛の言葉―――




会えなくなるとは知ってたのに





たとえ、君がここにいないとしても…

























今宵、月が見えずとも


(瞼閉じて、君の幸せを願うから)
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