短編

□今宵、月が見えずとも
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※青黒前提 でも出ない








すべてを分かりあえると思った
しかし、今となっては、そんなことを期待した自分に恥じる



タン タン タン


ビルの屋上へと続く階段をゆっくりと昇る



ガチャ…


屋上に出ると、夜風が髪を撫でてきた
いつもは心地いいと感じるそれも、今は鬱陶しく感じる

空を見上げると、月が弱々しく輝いていた
そんな光は今の自分にとって、少し調度いい
ギラギラと光る街に出るよりずっと、いい

すごく、落ち着く…


ふと、辺りが薄暗くなる
再び空を見上げると、月は厚い雲に覆われてしまった


ポツ…


滴が頬を伝う

ああ、まるで今の自分のようだ
空が、泣いてるみたいだ



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