短編

□Treatment
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「じゃーんけーんぽんっ!」




「うわぁぁぁ!また負けたぁぁぁぁぁ!!」

「五月蝿い 早く出発するのだよ」

「ちくしょー!!何でいつも俺ばっか・・・」

「ふん。そんなの当たり前なのだよ。なぜなら・・・」

「はいはい、おは朝のおかげだもんなー」





今日のじゃんけんも俺の負け
昨日も一昨日もその前も


一回もコイツに勝ったことがない





「つーかこれから交代制にしようぜ?」

「断るのだよ」

「なんで!?」

「お前を乗せたリヤカーを自転車で引くなど、まっぴらごめんなのだよ」

「それを俺はいつもやってんだけど!?」



どんだけ我がままで自己チュー野朗なんだコイツは・・・!
コイツといると、俺だけ不憫になるんだよなぁ・・・
ホントどうにかしてほしい


「ピーピー騒ぐな。俺は早く帰ってテーピングをしたいのだよ」

「へーへー悪かったですねー…っと」


あるものが視界に入り、ブレーキをかける


「?どうしたのだよ」

「あー…ちょっと待っててくんね?」


チャリから降りあるものに近づく
そして、アイツのお気に入りを購入し再びチャリに乗る


「ほれっ」

「!?・・・なんのつもりなのだよ」

「別にー?そろそろソレ飲む時間だと思ってよ」


「……余計なお世話なのだよ」






知ってる
そんなこと言いながら本当は―――




「ああ・・・余計なお世話だな」






心の中では嬉しいと思ってんだろ?







だって証拠に、ほら






























Treatment


(頬を染めて君が笑ってる)

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