短編
□生まれかわっても
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「・・・は?今、なんつった……?」
『だ、から、きーちゃ、んがしっ・・・死んじゃったの……!』
俺は携帯を落としそうになった
(嘘だろ・・・?)
だって、1年前に俺を見送ったアイツは笑ってて
"またね"って、"来年会おうね"って約束のキスして、強く強く抱き合って・・・
周りの迷惑も考えず、大声で俺の名前を呼びながら手を振り見送ってくれた
あんなに・・・あんなに元気だったのに
なのに、どうして・・・
「おいさつき、変な冗談は・・・」
『冗談じゃない!』
「っ!!」
『こんな、ことっ・・・冗談で言わない・・・!』
・・・確かに、さつきは冗談でも"死んだ"なんて言わねぇ
じゃあ、アイツは本当に・・・
「なん・・・でだよ・・・あんなに元気だったのに・・・」
『去年の夏、癌が発症したんです』
「!・・・テツか」
『はい。お久しぶりです』
「・・・なんでアイツは俺に連絡しなかったんだ?」
『・・・黄瀬くんは、青峰くんに心配をかけたくなかったみたいです』
「どういう意味だ?」
『そのままの意味です。自分が病気だと知らせれば、君は試合投げ出してでも日本帰ってくる。
せっかくつかんだチャンスをなくしてほしくない。今はバスケだけに集中してほしい。
青峰っちの夢は、自分の夢だから・・・と黄瀬くんが』