戦国BASARA
□変化 【前田慶次】 連載なう
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いつもと変わらない朝。
何一つ、いつもと変わらない。
まつ姉ちゃんに叩き起され、冷たい水で顔を洗い、メシの前に座る。
そして目の前には自分の嫁に見とれて鼻の下を伸ばしている利。
本当に目障り。まつ姉ちゃんのメシがまずくなる。
それに加えて利を愛おしそうに見つめるまつ姉ちゃん。
いつもと変わらない。何も変わらない。
俺の心の中だけがどんどん黒くなっていくだけで・・・
それ以外はいつもと同じなんだ。いや、変わっちゃいけないんだ。
「こら!慶次!!」
「げっ・・・!!ま・・・まつ姉ちゃん・・!!」
「またこんな所でだらけて!!!いつも言っているでしょう?!少しは、前田家の・・・」
「あ〜〜はいはい!!」
「慶次!!」
「・・・わーってるよ」
どうせ、まつ姉ちゃんは分かってねーんだろうな。
こうやって毎日だらけてる理由も、時々黙ってふらっと旅にてる理由も。
・・・そうすれば、いつも頭の中に利しかいないまつ姉ちゃんだって、必ず俺のことを考えてくれるだろ?想ってくれるだろ?
その時だけは一番に俺を・・・俺だけを・・・
「全く・・・犬千代様をご覧なさい。」
「はぁ?利のやつなんか、裸で騒いでるだけじゃなーかよ」
「何をいってるのです?!毎日あぁやって体を鍛えて・・・」
「俺には褌一丁の裸同然なカッコで「ヤイヤイ」言って暴れてるようにしか見えないけどね」
「け〜い〜じ〜・・・」
「ま、俺は利と違って?裸でやると言ったら、もっと違うイイ事をヤるけどな〜。ね、まつ姉ちゃん?」
「・・・///」
「ね?そうでしょ?」
「!!!何馬鹿なことを!!もう、勝手にしなさい!!」
俺にはこうやって悪あがきしかすることができないけど・・・
顔を真っ赤にしながら立ち去るまつ姉ちゃんは本当に可愛くて、ずっと見ていたいくらいで。
きっと泣き顔も、イイ顔も可愛くて綺麗で艶美で・・・そんなことが容易に想像できてしまう。
気づけば俺の手は導かれるように自身の下腹部へと伸びていく。
それは俺の心の中にしまって、抑えていなければいけない感情で。
でもこうやって自分で慰めなければいけないほど、俺はまつ姉ちゃんを欲してしまっているんだ・・・。
「くっ・・・。まつ・・・ねぇ・ちゃん・・」
愛だの恋だの人には言っておいて。
一番恋心を抱いてはいけない人を抱きたいだなんて思ってしまった俺は。。。最低だ・・・