君と僕。

□それでも春は、やってくる
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近くの公園を通りかかったとき、雨音に混じって声が聞こえた。
「…あの…好きです!!//」
ピクピク…
全員の耳が大きくなる。
「今の子は進んでんよなー、俺もかわいい女の子に愛の告白をされたーい♡」
「うん、その意味不明な頭をどうにかすれば可能性が生まれると思うよ」
反抗期かつ思春期真っ盛りの4人は、ちらっと横目で公園の方を盗み見た。
「あの…えっと…   僕ですか?」




え。
「ええええ……! グフッ」
「だめだよ、千鶴、2人の時間を邪魔したら」
ため息をつきながら、祐希はしっかりと2人をガン見している。
要は少し頬を赤くしながら顔を背ける。
そんな3人を見て悠太は、呆れたように歩き出す。
「ほら、先行くよ」
そのとき、春は草むらから黄色い触角が見えていることに気が付く。
「ち…千鶴、くん?」
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