世界一初恋

□こんなとき、あいつの反応。
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〈SIDE小野寺〉
はあ、…あんたは知らないだろう…俺があんたのデスクに行きたくないんだってことを。
何でかって…それは… その…
高野さんが変なことしてくるし…でもそれだけじゃなくて、
「苦しくて…なんか、胸の奥が…」

って。
「いやいやいやいや違―――――――う!!」
エメ編にいた全員が顔を上げて俺を見る。
「…あーじゃなくて、ちょっと外行ってきます…」

Side end








はあ、まったく、あいつは何をやっているんだ。
赤くなったり青くなったり、照れたり(俺はそうだと信じている)怒ったり、目まぐるしく百面相をしていたもんだから、さすがに心配になってきた。
世話の焼けるやつだな。
「ちょっと連絡受けてくる。木佐、お前んとこ遅い作家がいるだろう、電話しとけ」
はーい、と間延びした返事を聞きながら、いつのまにか追いかける側にまわっていた自分に苦笑しながら、そいつを捕まえるために駆け出した。
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