混合系

□浅蜊貝と幸運の犬
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高校生になり、目立った抗争に巻き込まれずに過ごしていた綱吉たち。
しかし、平穏な毎日も夏休みが来れば終わってしまった。

「てめぇら、アメリカに行ってこい」
「はあ!?いきなり何?」
「アメリカかぁ。メジャーリーグ……面白そうなのな♪」
「バカか!野球野郎。リボーンさんが言うんだ。仕事に決まってんだろ!」

ただの旅行じゃないと獄寺が山本にツッコムと、リボーンが頷く。

「その通りだ獄寺。おめぇら、調べものついでに社会見学行ってこい」









ということでやって来たのはアメリカは東海岸の街、デイバン。街並みはアメリカと言うよりヨーロッパのような感じだ。

「リボーンさんの話では、この街にある映画会社を調べてこい、ってことでしたよね」
「なんで映画会社なんだろうね」

疑問に思いながらもその会社を探す。さっさと見つけてしまわないと、後ろで牽制しあっている二人がいつ戦い始めることか。
キョロキョロと周りを探していると、一人の青年が声をかけてきた。

「てめぇら、見かけねぇ顔だな」

英語を聞き取れた綱吉はこの時ばかりはリボーンのスパルタ教育に感謝した。
しかし、青年はまさに不良といった風貌でビクついてしまう。
答えたのは獄寺だ。彼はその頭脳だけではなく、今までの人生の半分以上をイタリアで過ごしていたためか、英語力は抜群だった。

「ちょっと観光に来たんだが迷っちまってな」
「この街に観光……な」
「ちょっと知り合いがこの街の映画会社に見学の予約を入れたんですよ」

この青年に疑われてはいけないという本能に従い、綱吉が話すと、青年は驚いた。

「てめぇらか!うちに見学に来る日本人って!!」
「え?もしかして」
「ついてこい」

どうやら、青年は映画会社の社員だったらしい。
正直助かった。すでに一部で火花が飛び始めている。

案内をしてくれるという青年は所々で街の人に声をかけながら進んでいく。

「たく、ベルナルドの奴が『大切なお客様だ』とか言いやがるからどんな狸爺かと思ったら、ガキじゃねぇか」

小さく溢された言葉だが、聞き取った獄寺がむ、とした。
彼の不穏な気配に気づき、綱吉が宥める。
そうこうしていると、周りより大きな建物に着く。どうやら目的地らしい。

途端に綱吉の中で沸き立つ不安。

それを無視し青年について中に入ると、中にいる人々が彼に頭を下げる。

「ベルナルド、入るぞ!」

建物の奥、とあるドアをそう言いながら青年は開けた。
ドアの向こうには沢山の電話に埋もれるように一人の男がいた。
男は微笑みながら言った。

「ようこそ。ツナヨシ・サワダ御一行様」



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