CP小説

□独占欲
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「おかしいですね…」

体育に部屋の掃除の手伝いをしてほしいと呼び出されたものの、部屋の中には散らかったものしかなく、肝心の体育がいない。

「どこに行ったんでしょう?私だって忙しいのに…」

とりあえずいない相手に文句を言ったって始まらない、一人でも少しずつ掃除を進めますか。

ほとんど私の部屋にいるくせにどうやったらこの部屋がここまで汚れてしまうのか、理科ではないですが実に興味深い。

「あ、これ、この前私が貸した本、こんなところにほったらかし。この様子ですと読んでませんね、あの子」

他にも社会の物とおぼしきゲームも…全く、あとで私が返しておくか。

15分ほど掃除をしたころ、外から体育の声が聞こえた。

「あ、帰ってきましたか?」

ドアを開けると、古典と社会と楽しそうに話している体育。こちらに気づき

「あああああ!!ごめん保健!!呼び出したの忘れてた!もしかして一人で掃除してくれてた感じ…だよな…?」

「もー、体育、それはだめですよー」

「そうだよ、もしオレがそんなことしたら理科に殺されるよ〜。保健はやさしいから怒んないかもしんないけど」

体育は困ったように笑って

「ごめんな、二人とも。おれ掃除しないと」

謝る体育に向かって私は

「いいですよ、遊びに行っても。私がやっておきますので」

と言ってドアを占閉めた。

「……………」

…何してるんだ、私は。大人げない。もしかして…嫉妬してしまっている?古典と社会に


二人とも恋人がいる、体育にそんな感情を抱いていないことくらい私が一番知っているはずなのに。

"保健はやさしいから怒んないかもしんないけど"

さっきの社会の言葉が頭を回る。そうだ、私はこんなことで怒っちゃいけないんだ。

少し片付いた部屋で膝を抱えて座り込む。大きなため息。嫌悪感。

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