CP小説

□僕の隣は
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僕は自室で実験中、隣で不安そうにのぞいているのは恋人の社会。

今日の実験はそこまで危険じゃないから部屋にいることを許可したけど、正直実験中は離さないし、なぜここにいたいのかはわからないけど、社会がいたいっていうなら仕方ない


「ねぇ社会、つまんなくない?」

「へ?どうして?」

「だって、社会こういう化学とか苦手でしょ?」

僕のちょっとした一言でみるみる表情が変わる、もともと垂れている眉がハの字になる

「あ、やっぱり化学がわかんないやつといっしょにいるより、もっと理科みたいに賢い人がいるほうがいい?というよりオレ邪魔?」


あたふたして、涙目になる。いつもこうだ、別に誰もそんなこといっていないのに。

「そんなこと言ってないでしょ?ちょっと落ち着いて…」

「ご、ごめん!!」

僕の恋人はすぐ不安になるらしい。どうしてそんなになんでもかんでも不安になるのか、僕にはわからない。僕が不安になることなんかほとんどないからだ。

実験なんて、手順さえ間違えなければ失敗しない。
雲の動きをみれば天気くらいわかる。
体育や数学(本人は認めないけど)はお化けが怖いとか言うけど、化学的にあんなもんがいては困るのだ。

僕には怖いとか、不安とかいう感情がほとんどない。だからこそ、この表情がコロコロ変わるでっかい男にひかれたのかもしれない。

「謝んなくていいよ、怒ってないから」

「ほ、ほんと?」

「うん、だから座りなよ」

「わ、わかった」

椅子にゆっくり座り、また僕の実験を眺める。ただただ、彼にはわからないであろう薬品を混ぜる。加熱する。また混ぜる。

なんの実験かって?…ごめん、僕君には興味ないから。言いたくない、めんどくさい。

・……………

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