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□雨
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雨は嫌い。
ただでさえ憂鬱な気持ちをさらに憂鬱にさせるから…。
『はぁ…。今日も雨か。』
放課後の誰もいない教室でポツリと呟く。
『傘取られるし、雷まで鳴ってきちゃったし。…それに、』
不二「それに、手塚君がテニスしてるとこ見られないじゃん。…って感じかな?」
『そうそうそんな感じ…って不二君!?』
机に俯せていると不意に不二君に声をかけられた。
驚いて顔を上げると、よくわかったね、なんてからかう様に言い微笑みを浮かべる。
『ビックリした〜。…でも何でここに?』
不二「憂鬱な顔した名無しさんに季節外れのサンタからプレゼントをね。」
『プレゼント?』
不二「うん。生徒会帰りの人をちょっと強引に引っ張って来ちゃった。」
生徒会帰りってまさか…!
不二「手塚。いい加減入って来たら?」
少し困ったように言う不二君の言葉に、渋々と手塚君が入って来た。