小ネタ


◆節分のお話 ハニブラ番外編 

バタバタと家の中を走り回る音が耳に入り、眉を吊り上げたWは不届き者を制裁する為に椅子から立ち上がった。
足音は複数の様で、近づくにつれ、騒がしくなっていった。
時折、ドッタンバッタンと物音も混じり、更にWの眉間の皺は増えていく。

「くぉらー!!静かにしやがr」
「鬼はぁー外ー!!!」

バッシバッシッ
ビシッ ビシビシッ

「ぶわーーー!!?」
「あ、W?」

ドアを開けた途端、降りかかってきた無数の粒が顔を襲った。
痛痒い衝撃にWは後ろにひっくり返ってしまった。
後から、十代の気の抜けた声が聞こえた。

「大丈夫か?W〜」
「じゅ、十代さん・・・!お、俺・・・!」
「大丈夫だ、遊馬。コイツは天罰を受けただけだ。気にするな」
「シャ、シャークが言うなら・・・」
「り、凌牙・・・キサマ・・・」

上から十代、遊馬、凌牙である。
熱い顔に手をやりながら粒が飛んできた方に目をやると、升を持った先ほどの奴等が。
升の中には沢山の凶器・・・ではなく豆が。
さっき当たったのはあの豆・・・。
そう言えば今日は節分とか言っていたな。
Vが鬼のお面を昨日自分にはい、と渡して来たような・・・。
という事は、今ここにいるのは季節の行事を楽しむ為に集まった奴等だということ。
Vや十代が呼んだのだろう。
一先ずここは可愛い弟達のため、一肌脱いでやろう。

駄菓子菓子。

「いきなり豆ぶつけんじゃねーーーー!!!!」
「鬼が豆を投げ返してきたーー!?」

床に散らばっていた豆を鷲掴み、十代達に投げ返すW。
そのまま、豆撒きに便乗して走り回るWたちを今はニコニコと微笑むVだったが、落ち着いた頃、きちんと片付けをさせたそうだ。

               END

2013/02/03(Sun) 09:36

[コメント書込]

[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ