小ネタ


◆実話な小ネタ 

「う、うぅ〜・・・」
「全く・・・どこが痛いんだ?」
「・・・・・・・・・・・」
「コラッ黙るな!!」

数週間前、足を負傷したV。
湿布で対応していたが、なかなか痛みが引かないという。
見かねたWが珍しく気にかけたが、Vはバツが悪そうな顔で黙り混んでしまう。
それの繰り返しである。

「よし、V。お父さんに話してごらん?」
「実は・・・」
「ちょっ・・・おいコラ!!」

トロンに代わった途端、ぺらぺらと話すVにWは思わず声を荒げた。
Vの話しによると数週間前、道中で犬に追いかけられて撒いたと思って余所見をした瞬間目の前に電柱があるのに気付かず、足をぶつけたそうな。

「で、どこが痛いんだい?」
「ここです」
「は?脹ら脛?」
「「え??」」

Vが示したのは、脹ら脛で。
そばで寛いでいた十代とVも顔を向けた。

「ちょっとまて。電柱にぶつけたんだろ?脛とかなら分かるが、何で脹ら脛?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「だから黙るなっ!!」

Wが怪我をした経緯を聞くが、それ以上は黙りのV。
Vの怪我はいったい何なのか。
十代もVもVを心配したように先を促してきたので、遂に折れたVはぽつりぽつりと咄始めた。

「電柱にぶつかった後、バランスを崩して後ろ向きに倒れたんです。倒れた所にフェンスがあって脹ら脛をフェンスにぶつけたんです・・・」

かぁぁっと顔を赤くしながら、話すVに4人は沈黙した。

「災難だったな・・・V」
「どーいう転け方したんだ・・・」
「バランス崩すほどぶつかったのに痛いのは脹ら脛・・・」
「高忘」

純粋に十代はVを心配していたが、兄達はどう表現していいか分からない葛藤に襲われていた。
震える息子達にトロンは「高貴な心を忘れてはいけないよ」と略して宥めた。

「カッコ悪いから言いたくなかったのに〜!!」

びーーっと泣き出したVをあやすのに再び労力がすり減ったのは言うまでもない。

2013/02/28(Thu) 13:51

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