小ネタ
◆小ネタ連載のネタバレ。
『正義とは力を振りかざすものじゃない』なんて、そんなの嘘に決まってます。
だったら、"どうしてお母さんは死んじゃったんですか?"
答えは簡単。
僕に力が無かったから。
力があれば、お母さんを守ることが出来た。
力があれば、クラウスを止めることが出来た。
あの時の僕はまだ小さかったから仕方ない?
そんなのただの言い逃れ。
だったら、"どうしてクラウスだけ山に行ったの?"って言ったら答えてくれますか?
答えは簡単。
僕に力と強い心が無くて、クラウスには力と強い心があったからの違い。
僕は、ずっと弱虫だった。
お母さんとクラウスが居なくなって、ただずっと泣いてばかりいた。
泣く事しか出来なかった。
泣く事しかしなかった。
泣く事しか分からなかった。
泣いてばかりいたあの時間で、僕にも出来る事があったかもしれなかったのに。
だから、全てを戻す事にした。
なにもかも なにもかも。
それなりに代償は払わないといけなかったけど、僕には容易い事だった。
ただ、同じ歴史を繰り返して、本来僕が行う筈だった世界を作り替える作業を別の誰かにやってもらうということ。
"リュカ。取り替えっこしようよ。君の方が・・・"
あぁ。
そうだ。
そんなの簡単じゃないか。
僕と クラウスが 入れ替われば。
みんな、クラウスが生きている事を望んでいる。
お父さんも、僕を相手にしないほどにクラウスを探していた。
――そうだよ、君と僕が・・・。
入れ替わってしまえば、きっと全てが上手くいく。
待っててね。
クラウス、お父さん・・・
―――お母さん・・・。
2013/03/14(Thu) 13:54
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