めんばー×めんばー(48関連曲)

□恋のPLAN
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恋には敏感…のつもり。



そんな風に思っていたけど
ほんとは違ったみたいで。




「それはさすがに恋だわ」




今まで気づいてなかったみたい。


好きだってこと。




「麻里ちゃーん…」



「ねっ、告るのっ?」




ダメだ、この人。


完全に楽しんでるよ。



陽菜が佐江ちゃんを…好き。




「そうなのかなー」



「まーだ悩んでんの?恋だってー。好きなんだよ、認めな」




別に認めたくないわけじゃないけど。



まさか佐江ちゃんに恋するなんて…






それからというもの。



変に意識しちゃって。


陽菜は佐江ちゃんに会うたびドキドキしていた。



そこで陽菜は決めたんだ。




「告白しよう」




お、やっと決めたかー
なんて。邪魔しないでよね、麻里ちゃん。


麻里ちゃんの手なんか借りない。



絶対に陽菜が自分で振り向かせて見せる。




「佐江ちゃーん」



「ん?こじぱ、どしたー」




太陽みたいな笑顔。


陽菜はまたドキドキした。



…麻里ちゃんはニヤニヤしてるけど。




「今…暇?」




自分でも唇が震えてるのが分かる。




「そんな緊張してどうしたの。今は空き時間だし、長いみたいだからあと3時間くらい暇だけど」




緊張…バレてるし。



陽菜は平然を装うように言った。




「じゃあ…デートしよ?」




引かれないか心配で。


ぎゅっと目を瞑って下を向いた。




「ふふ。珍しいね。いいよ」




っ///


ダメだよ、反則//



あんな笑顔。頬が緩まないわけがない。




「じゃあ、行こ!」




第一ラウンドクリアっと。



陽菜は嬉しくて佐江ちゃんの腕を引っ張って
スキップで楽屋を出た。



一瞬麻里ちゃんがまたニヤニヤしてるのが見えた。




「ちょ、こじぱ。痛い、痛い」



「あっ、ごめん」




ちょっとはしゃぎ過ぎたみたい。




「どこ行くの?」



「内緒ー」




まだ言わない。



とっておきの場所だから。






「こじぱー、まだぁ?」




何も喋らないで黙ったままの陽菜に

我慢できないよとでも言うように
話しかけてきた佐江ちゃん。




「もうちょいだよ」




陽菜が連れてきたかった場所。


大好きな人と来るんだって決めてた。



一瞬佐江ちゃんは驚いたけど

何かを分かったように微笑んだ。




「こじぱ、ずるいよ」







佐江ちゃんの言ってる言葉の意味が理解できなくて
陽菜は頭に?を浮かばせた。




「こじぱはずるい」



「何…が?」




もしかしたら嫌だったのかもしれない。



そう思うと唇が震えた。




「好きだよ、陽菜」




陽菜が大好きな人と来たかった場所。




「佐…江ちゃん?」




陽菜が今から告白しようとしていた場所。




「ずっと好きだった」




まだ、さっき名前を呼ばれたことに慣れなくて

唇が震えてた。




「っ…佐江ちゃん…」




目の奥が熱いのはなぜ?



ふと、そっと抱きしめられたその温もりに安心して。



陽菜はすべてをさらけ出した。




「好きっ…陽菜も…佐江ちゃんが好き…っ」




ほんとは陽菜が告白するはずだったのに。


やっぱり陽菜は本当の恋を
知っているようで知らなかった。




「…付き合って?」




陽菜が言うはずだったのに。


ずるいのは佐江ちゃんだよ。



佐江ちゃんのバカ。



いいとこ持ってかないでよ…。




「うん…っ」




あーあ。


恋のPLANが台無し。



それでも口元が緩む陽菜。




今ここに。
美男美女カップルが誕生した。






END

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