小説

□合間を縫って…
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りんちゃんにさえも伝えなかった
SNH48留学移籍の話。




言ったら止めてくれると分かってた。





止めてくれたら嬉しいけど、今回ばかりはそういうわけにいかない。




戻ってくるとはいえ。



約1年という長い期間。




会えない時間が長いのは当然寂しい。





かといって弱音を吐くわけにもいかないし。





「聞いてないよ…佐江ちゃん」





そりゃ言ってないから。


言ったら取り乱すの、りんちゃんじゃん。



突然言われてびっくりしたかもしれないけど




止められない状況のほうがマシ。



りんちゃんに行かないでなんて言われたら


佐江はきっと行かなかったし
もしかしたら居場所がなかったかもしれない。





「ごめんね、言わなくて。でもりんちゃん好きな気持ちは全然変わらないから」





ほんとのことだよ。



愛してるから。




離したくない大切な存在だから。






遠くにいても繫がっていたい。





少しでもいい。


ほんの少しずつ遠くにいても
会える時間を見つけられればいい。




合間を縫って会えれば私たちは絶対に繫がっていられるから。







END

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