小説
□ねぇ
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佐江はいつだって…
「佐江ーー」
あっちゃん
「んーー?」
あっちゃんだけを見てきたよ。
「この空き時間、暇でしょ!デートしよ」
「んー。うん、行こっか」
本当は優子と外に出る約束をしてたけど
あっちゃんからのお誘いなんて絶対珍しいから
優子には断ってあっちゃんと久しぶりにデートへ行くことにした。
佐江…暇って言うほど暇じゃないけど。
「外、気持ちーねぇ」
あっちゃんがくるくるしながら言った。
やっぱり可愛い。
さすが佐江が惚れただけある。
「危ないよー」
付き合うなら100%あっちゃん。
だって可愛いから。
佐江のタイプにどんぴしゃなんだもん。
「大丈夫ー。佐江ーあんまり時間ないんだから早くー」
あっちゃんが行きたいところに行ければいい。
だから佐江はゆっくり少し後ろを歩いていた。
「大丈夫だって。時間はあるから」
あっちゃんの好きなように
振り回された佐江はニヤニヤがおさまらない。
大好きなあっちゃんに振り回されるなら
どこへ飛んだって構わない。
「戻ろっか」
あっちゃんのふとしたときの大人びた顔、好きだな。
スッとして、可愛い。
「あっちゃん、佐江、やっぱりあっちゃんが好きみたい」
ふと思ったことが声に出た。
「何ー?あたしだって佐江のこと好きだよー」
違うの。
めちゃめちゃに愛したいって思う。
「あっちゃん、ちょっとおいで」
楽屋に戻る前にあっちゃんを引き止める。
「んー?」
ニコニコした佐江の大好きな笑顔で。
「あっちゃん、好きだよ」
近づいてきたあっちゃんに優しくキスをした。
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