小説
□あたしだけを見て
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朝。学校に登校するといつもこう。
家出る前までは一緒にいるんだけどね。
「陽菜せんせー!おはよー」
「みぃちゃん、おはようー」
「せーんせ!おっはよー」
「あっちゃんもおはよー」
モテる。モテる。とにかくモテる。
教室の中に入った瞬間も
「おー小嶋先生、おはよー!」
「陽菜先生だー」
いやになる。頭ががんがんして
「はい、みんなおはよー」
そんな笑顔で答えないで
その笑顔、あたし以外に見せないでよ…
「じゃあ、ホームルーム終わりー。次、陽菜の授業だからねー」
あたし、苦しいよ…
「授業はじめまー…って、ちょ」
あたしは耐えられず、教室を飛び出した。
「もう…ちょっと授業変更!自習ね!」
つらい思いは、したくない。
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