小説

□何も言わずにそばにいて
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変な夢を見てから1週間が経った頃。


「んっ、は…ぁ、」

「山田、口開けろ」

「んゃ…っ、あぁっ、」


私の卒業は日に日に近づいていて
メンバーもそれがわかっているからか
たくさん話しかけてくれる。

それは嬉しいし私も一期生として
教えたりできることはできるだけ教えたい。

だから他のメンバー、つまりさやねえ以外と話すことは
前よりもっと多くなったかもしれない。


「もっと開けて…そう、もっとや」

「ひぁっ、ひぁあか(さやか)…っ」


少しはわかってくれてもいいと思う。
それにさやねえだってそういう時は少なからずあると思うし。

私が見てないところで
たくさんの後輩とかと話してると思うし
私だけちゃうのに。


「指、くわえて?」

「ひゃあや…、っ」

「あかん。拒否権なし」


独占欲が強くて
すぐやきもち妬くから拗ねて
私を襲ってくる。


「ぷはっ、はあ…」

「ん、よくできました」

「…あほ」


思う存分指を舐めさせたさやねえは
満足そうににやけて
その指を下に持っていった。


「あたしは怒ってんねん」

「んぁっ…あぁ、っ」

「別に他のやつとしゃべってんのはええねん。けどあれはあかんやろ?」


にやけてたはずのさやねえの顔は
一瞬にして真面目な顔になった。

理由は簡単や。
佳奈子ちゃんに抱きつかれて反対からみるきーにもぎゅってされて
正面からはももちゃんがおっぱい触ってくるし
しまいにはゆいぽんが悪ノリして
ちゅーしてきそうになって
それを私はギリギリのとこで間一髪かわしたんや。

しゃあないって言うたらそこまで。
さやねえはもっと怒ると思う。


「ごめ、ん…っ、なっ?」

「…まあ山田が悪いわけちゃうんやけどな」

「けど、私に…っ、隙あるから、やんな?」

「まあ、せやな」

「ごめっ、」

「謝ってほしいわけちゃうから。もう謝んな」


素直に謝ると謝るなってさやねえは言う。

怒ってたくせに。


「なあ、」

「わかってる。声我慢したらあかんで?」


動かされない指に焦れったさを感じて
さやねえに声を掛ければ
言う前にわかってくれた。


「ちょっ、あぁ…//ふぁっ、」

「締めつけんなあ。溜まってたん?」

「知らっ、ん//」


強引だけど優しくて
手つきは私を酔わせる。

だから好きやねんな。さやねえのこと


「明日6時から振り入れやからはよせんとな」

「やっ、さやっ…」

「ん?」

「きもち、//もっと、して?///」

「っ、あほ!釣るな!」


卒業間際のシングルで
センターをやらせてもらえることが決まった。

運営の人はたくさん悩んだと思う。
私はすぐに卒業しちゃうし。
でもだからこそ最初で最後にセンターをやってほしいと言われた。

しかもなんか後ろからばって前出るやつ
すぐはできなそうやし。

卒業4日前の選抜。しかもセンター
歌番組のこととかライブとか握手会とか。
思うこといろいろあると思う。
私やって選抜なんてましてやセンターだなんて
考えてもいなかった。
けど、私をこんなに愛してくれてるって
そう思ったらやるしかないやん。
やりきって笑顔で卒業したいやん。

SKEと対決?みたいな感じやけど
私は戦いやとは思わへん。兼任してるしな、一応
勝つとか負けるとか気にしてない。
まあ、有終の美を飾れるんやったら飾りたいけども。
ただ、そんなん抜きで最後の最後までやりきる。それだけ


「んっ、いきそ…っ」

「いく?」

「んゃぁっ、あかん…、//」

「いってええよ?」

「まって、っ…まだっ、」

「ん?」

「まだっ、あかん//」

「なんでやねん」

「しててっ、このままがいいっ…」


明日新曲披露とか知らん。
私はまだ彩と一緒にいたいから。


「ほんま釣り師やな。でも明日起きられへんで?5時には起きんで?わかってんの?」

「わかってる…、」

「ちゃんと起きてな?」

「さやか、バイキング?」

「うん。抜けて行ってまた戻ってくる」

「たいへんやな、」

「だからはよ寝ようや」

「んー…」

「またしたるから。な?」


正直卒業が近くなって不安になってる。
さやねえともっと一緒にいたいって思う。

離れたくない。


「次、いつ?」

「いつやろなあ?」

「いややっ、」

「ん?」

「ずっと一緒におって、」

「菜々…」

「さやねえっ」

「卒業したってずっと一緒やん。な?」

「うん」

「とりあえず明日早いから今日はおしまい」

「んぁっ、!」


さやねえはずるい。
私をなだめる方法をしってる。


「いきや?」

「あっ、あぁ…あっ…!」


いかせ方も上手いし。
なんか手馴れててムカつくねん。





「落ち着いた?」

「はぁ…うん」

「お疲れ」

「なあ、」


私の話を遮るようにさやねえは私を抱きしめた。


「なんも、しゃべんな」

「なんで?さやねえ?」

「しゃべんなって、」


声が震えてて、泣いてるみたいで
私はそっと背中に腕を回した。

さやねえに私の気持ちが伝わっちゃったかな。


「さや、」

「聞こえへんかった?」

「ちゃう。でも、聞いて」

「いやや」

「もう勝手にしゃべる。あんな?卒業、不安やなって最近思った。なんとかなる!って思ってたけど意外とそんなうまくはいかへんねやってわかってきて。でもそんな自分の事より、私はさやねえと一緒にいられへん方が苦しくて寂しい。せやからな?一緒にいられるときに、もっとさやねえを感じたい」

「しゃべんな言うたやんか、あほ」

「そんなん無理やし」

「でも、」


もう泣きやんだのか
さやねえは私を離して顔を見合わせた。


「あたしは山田しか見えてへんから。誰よりも山田と居れる時間を大事にしたいと思ってるし、誰よりも山田が大切やから。やから、不安になったら、絶対にあたしに言え」


さやねえは忙しい。
けど、そんなん言うてたら
恋愛なんて成立しいひんねん。

忙しいのなんてさやねえだけちゃう。
忙しい人を相手にしてる人なんて
たくさん居るねん。

私はひとりじゃない。
さやねえがいるから。


「今まで一緒にいてくれてありがと。これからもずっと一緒にいて?」

「今までとかやめろ!一瞬びびった」

「でも言いたかってん。今までもこれからも私の隣は彩だけやで?」

「っ、当たり前や」


仕事も頑張ってほしいけど
たまには私のこと、優先してな?
不安になっちゃうから。

その代わり、さよならなんて言わないで。
一生そばにいてください。



END



文が書けなくなってきた…。
めちゃくちゃ駄文ですが
読んでいただきありがとうございます。

まだまだ菜々ちゃんの卒業まで
菜々ちゃん絡みの小説でいきます。

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