小説

□最強の妹
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「やだ」


さっきからずっとこれだ。
やだ、の一点張り。

指原握手会始まっちゃうんだけど…。


「なーこ。一瞬だから!さしこちゃんも一緒に行ったげるからさ」

「やだ」


大好きなさしこちゃんがいてもダメですか。


「なんで怒ってんの?」

「だって痛いもん」

「や、痛くないから。だってスペシャリストだよ?絶対痛くない」

「…ほんとに?」


注射のスペシャリスト
とかいうわけのわからないことを言って
一応信じさせてみる。

やっぱり子供だ。
案外信じる。


「ほんとだよ。だから大丈夫。ね?」

「さしこちゃん、隣いる?」

「いるいる。でも早くしないと始まっちゃうからぐずぐずしてたら行っちゃう」

「やだやだ!さしこちゃんいないとやだ!」

「じゃー早く行こ?ほら」


なんとか?信じてくれたみたい。

あそこに行くまではこんなもんでいいんだけど…
行ってからがねえ


「う、わぁ…」

「ほら、奈子」

「やっぱりやだあ!」


またぐずりだしてしまった。

ほら、先生も困ってるから


「奈子、紙出してって」

「やぁだぁー」

「ほら、なーこ」


さしこちゃんは保護者じゃないんですよー

これでも同じメンバーですよーっと


「さしこちゃんここにいて」

「いるってば」

「手、つないでて」


え。
何可愛いんだけど


「つないどく」

「離れちゃダメだよ」

「わかったから」


なんなのこの子

可愛すぎるんですけど!


「痛い…?」

「まじ痛くないから」

「うん…」


なんとか落ち着いたところで
紙を提出して椅子に座らせる。

先生たちは苦笑い状態。
そりゃそうだ。


「奈子、腕まくって」

「うん…」


渋々と言った感じで腕をまくりあげた奈子は
やっとの思いで先生に腕を出した。


「大丈夫だから」


不安そうな目で見つめてくるから
優しく頭を撫でてあげた。


「いっ…、」

「はい終わり。お疲れ、奈子」


一瞬顔が歪み、痛そうな顔をしたけど
それもほんの一瞬。

終わったら安心したのか抱きついてきた。


「痛かった」

「でも一瞬だったでしょ?」

「さしこちゃん痛くないって言ったのに」

「さしこちゃんは痛くなかったよ?」

「さしこちゃんのばか!」


とりあえず何はともあれ
無事に予防注射、終わってよかったです。

先生方ご迷惑をおかけしました。


指原的には可愛い奈子が見れて大満足です。

まだまだ奈子は、子供だ。
いつか指原を追い抜いてね。



END

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