小説

□forever love
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いつぶりだろう。
こうして5人が揃うのは。

いつぶりだろう。
一緒に公演に出られるのは。


もうすぐだ。


「れぇぇなぁぁちゃぁぁぁん!!!!」


会うのも久しぶりな気がする。

とことん珠理奈とは会えないなあと
いつも肩を落としている自分がいるから。
音楽番組で一緒になっても
あたしたちはただ同じ場所で踊っているだけ。

ことごとくすれ違いで話す機会なんてない。
珠理奈は最近、大人しくて
一人でイヤホンつけてることが多いし
話しているとすればこじはるさんとか
たまにさや姉たちのグループに入ってたり。
SKEのときは佐江ちゃんとか綾巴といるイメージ。

とにかくあたしと話すことはない。
あたしもあたしで
仕事で遅れてきたりするし。
一人が好きだし。


「珠理奈、お誕生日おめでとう」


だからこうして会話を交わすのは
実に久しぶりだということ。

でも今日くらいは。
お互い今までの分、話してもいいんじゃない?


「なんか、話すの久々」

「そうだね」


珠理奈がこっち来なかったからでしょ!
と、昔のように拗ねたりはしない。

あたしたちはたぶん、思ったよりも
大人になったんじゃないかな。


「玲奈ちゃんに話したいことたくさんある〜」

「あたしもあるよ」


もう付き合っているのかどうかも定かじゃない。
珠理奈は年頃だし
縛られるのも好きではないはず。

遊んでいてもおかしくないし
あたしに愛想を尽かしていてもそれはしかたのないこと。


「まず、うん。好きだよ」

「…え?」

「だから〜好きだって!」


びっくりした。単純に

まだあたしを好きだと思っていてくれていたことも
その感情が残っていたことも。
付き合っていることを、忘れてなかったことも。


「あ、りがと」

「玲奈ちゃんは?」

「え、と。うん、好きだよ」


好き。

好きなんだ。


あたしはちゃんと珠理奈が好きだ。


「へへっ、よかった〜」


無邪気に笑う珠理奈を見て
あぁ、まだこの子は子供だな、なんて。

18歳の誕生日にそんなことを思った。


「おふたりさーん」

「世界観ハンパないよ〜」

「戻ってこーい」


珠理奈との久々の会話に
浮かれていたら

姉さん、真那、優香ちゃんに呼ばれた。


「あ!3人とも遅いよ〜」

「いや、さっきからいたわ!」

「えっ?まじ?」

「2人の世界に入れなかった〜」

「とりあえずご飯食べに行こうよ」

「姉さん奢り?」

「なんでよ」


この5人でいられるのも
あと少しなんだ。

少し切ないけど、5人で入れる間に
これてよかった。
あたしだけチーム違うし。


「食べすぎないようにしなきゃねー」

「まあ動くしいんじゃない?」

「珠理奈はお祝いだからたくさん食べな!」


やっぱり1期生だな、と。
思えるこの瞬間が
些細なことで、一番幸せだと思った。

あたしの人生の選択は間違ってなかったんだね。


「玲奈ちゃん、来てくれてありがとうね」

「たまたまスケジュール空いててよかった」

「ほんとそれ!」


でも、
空いてなかったとしても
無理矢理でも行っていた気がする。

珠理奈の誕生日を祝えるのも
この5人ではラストだし。

ていうか。
たまたまなんかじゃなかったんじゃないかな。
マネージャーさん、きっと内緒で空けといてくれたんだと思う。
気の利くマネージャーさんだ。


「改めて、珠理奈」

「『お誕生日おめでとう〜!』」


まだまだこれからも。
この気持ちが切れることはないと思う。

こんなに珠理奈を好きだと
改めて実感したから。



END


じゅりれな要素少ない。
らぶらぶも微塵もない。

とにかく言いたいのは珠理奈お誕生日おめでとう!

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