リクエスト

□すれ違い
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陽菜side



最近優ちゃんの様子がおかしい。


陽菜が麻里ちゃんとかたかみなとかと
おしゃべりしてても
前みたいに来てくれなくなった。


本当は陽菜が行くべきなのかもしれないけど
陽菜には到底できないから。


だから優ちゃんが来てくれる事が嬉しかった。



なのに…



いくら麻里ちゃんとおしゃべりしても来てくれない。


いくらたかみなをいじっていても来てくれない。


しまいには指原にまで行ったのに…。


陽菜、わかんないよ。
全然わかんないよ。


自分の気持ちですら分からない。


教えてよ、優ちゃん。



「………っあ」



あぁ。そうか。


優ちゃんが弱いの忘れてた。
繊細で傷つきやすくて
そのくせ陽菜を守ってくれる。

そんな陽菜の王子様だった。


視線の先の優ちゃんの目が
すべてを語ってるように見えた。




ならここからは陽菜の出番。

絶対優ちゃんを離れさせない。



ねぇ、優ちゃん。
何年優ちゃんの恋人やってると思ってんの?

陽菜のことなめてるでしょ。


ばかだなぁ、優ちゃんは。
陽菜には全部お見通し。



だからあえて言ったの。



「ん?何、優子」



この一言で優ちゃんが傷ついて
陽菜がめんどくさそうにしてると思って
別れようとするなんてお見通し。


陽菜は優ちゃんが思ってる以上に
優ちゃんを知ってるよ。



陽菜の名前を呼ぶ優ちゃんの声が震えてたから。

陽菜は恋人失格なのかもしれない。


でも陽菜優ちゃんが好きだよ。
優ちゃんも嫌いになんてならないよね?


だから、言えなかったんでしょ?
優ちゃん。



「で、話って?」



これで優ちゃんに
別れようって言われたれたら諦めよう。



「…うん、あの…ね」



言葉につまる優ちゃんを見て。


陽菜は安心したんだ。



だけどちゃんと言ってほしい。
別れようなんかじゃなくて、好きって。



「なぁにー?言うの?言わないの?優ちゃんウジウジしすぎ」



優ちゃんなら絶対に
気づいてくれたよね?


だてに陽菜の王子様やってないもんね?


ねぇ?優ちゃん。







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