蠅王T

□♀男鹿短編集
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古←男気味の古男。男鹿side

古市は...女が好きだ。俺だって一応、女、なんだけど...古市にとって俺はただの、幼馴染み...なんだろうな。

姉貴とヒルダにたまにはおしゃれでもして古市とデートでもしてこいって言われた。
2人にされるがままになっている俺の今の格好は...ヒルダの服を白系にしたような...普段俺が着ないような女の子らしい服。
姉貴とヒルダ曰くよく似合ってる、らしいけど、本当だろうか?
とりあえず、古市のところに行ってみる。
勿論ベル坊つきで、だけれど。

「ふーるいーちくーん、あーそーぼー」
「ダー!」

呼び掛けてみたけれど、出てきたのは本人ではなく、

「あれ、辰巳おねーちゃん!今日の格好かわいい!すごく似合ってるよー!」
「あ、ありがと。えーと、古市は?」
「お兄ちゃんは...朝すごいニヤニヤした気持ち悪い顔で浮かれて出てったの...」
「...そっか!ありがとうねーさて、公園にでも行くかベル坊!じゃ、またね!」
「ダ!」
「うん、また来てねー!(お兄ちゃん...早く辰巳おねーちゃんとくっつかないかなーそしたら私もおねーちゃんといられる時間増えるのに...)」

古市は家にいなかった。それじゃ俺は何のためにこんな格好してるんだろう。と、考えているうちに公園に着いてしまった。

「ベル坊、何して遊びたい?」
「ウーアゥ!」

ベル坊がブランコをさして言ったから俺はベル坊を膝の上に乗せて軽くこぎ出した。

暫くこいでいると、ベル坊が騒ぎ始めた。指をさしている方向を見ると、そこには古市と...年上だろう、綺麗な女の人の姿があって...正直、俺なんかよりよっぽどお似合いだ、と思った。
それ以上見ていたくなくて顔を伏せる。
ズキズキと、痛む胸。ベル坊が心配そうに俺を見上げている。

「古市の、ばか...」

ふと落ちた影に...上を見上げた。いつの間にか頭の悪そうな奴ら3人に囲まれていた。

「おいねーちゃん、俺らと遊ぼうぜーウヒヒ」
「そうそう、赤ん坊はその辺で遊ばせといてさぁ...」
「オレらと楽しいコトしよーぜーVv」

いつもならこんな奴らすぐ殴り飛ばすのに...今日は何だかそんな気分になれなかった。
それをいいことに奴らが、俺の腕を引いて立ち上がらせようとした、

「ムーダゥ、アー!!」ビリビリ

ベル坊が、泣いた。

古市sideに続きます
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