影と光
□少しも押さえられない
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黄瀬くんが居なかったら
ボクは今頃、取り返しのつかないことになっていただろう…。
黄瀬くんに対しての罪悪感。
相手に対しての恐怖感。
…そして、自分に対しての嫌悪感。
改めて、ボクはキミに守られていることで安心感を得ることが出来るのだと実感した。
少しも押さえられない
「ちょ!?何ですか?やめてください…っ!!」
ボクは今、○○公園にいる。
黄瀬くんと待ち合わせているからだ。
しかし、まさに今
ボクより2〜3歳ほど歳上であろう男の人に
世間体で言う『痴漢』を受けてしまっている自分がいる。
「キミ、可愛いよね。本当に男?今からおにーさんとイイことしない?」
「…っ!?嫌です!離して下さいっ」
不幸なことに回りには
誰もいない。
それもその筈だ。
なんせ黄瀬くんは人気モデルなのだから、
人目を気にしなくてはいけない。
その為に人気の少ない場所を待ち合わせにしたのだから。